顔認証システム、3Dプリンターで作ったニセのマスクで欺けることが判明
現在、空港や銀行などで使用されている、顔認証システム。これは以前考えられていたよりも安全ではないかもしれない。
というのも先日、ある企業が実験を行ったところ、あっけなくシステムが騙されていたことが明らかとなったからだ。
3Dプリンターで顔のマスクを作成
実験を行ったのは、アメリカのカリフォルニア州に拠点をおくAI企業の「Kneron」。同企業の研究者は、3Dプリンターで顔のマスクを作成。
それをかぶり、さまざまな国で顔認証システムが機能するか、それとも欺けるかをテストしたという。
その結果、顔認証システムに重大な欠陥があることが分かったそうだ。
Airport and payment facial recognition systems fooled by masks and photos, raising security concerns https://t.co/EIPXCIcTcr
— FORTUNE (@FortuneMagazine) December 16, 2019
中国の駅やオランダの空港でも欺けた
研究者らはアジアにあるお店において、自分の顔ではないマスクを着け、AliPayやWeChatのような支払いシステムで実験した結果、顔認証システムをだまして、購入することに成功したという。
またオランダのアムステルダムにある空港において、携帯電話の顔写真を見せることでセンサーをだますことができ、顔認証により自動で搭乗できるターミナルも通過することができたそうだ。
さらに中国の駅でもアクセスすることに成功したが、そこでは利用者が顔認証システムを使って運賃の支払いや乗車もしているという。
有名人に成りすますことも可能か
「Kneron」は自身の会社で顔認証技術を開発しつつ、今回、この技術の限界を知るために実験を行ったという。
そしてこのような結果となったのだが、CEOのAlbert Liu氏は声明において、「もし企業が最も高い基準でユーザーを守ることができなければ、責任を負うべきだ」と述べている。
実際このようなことが可能になれば、有名人や別の個人に成りすますことができてしまう。
今年の初めには、やはり3Dプリンターで作った頭部で、スマートフォンの顔認証システムを欺くことができ、アンロックできたことも明らかになった。
ただし今回の実験では、アップルの iPhone Xなどいくつかのデバイスの顔認証アプリケーションは、欺くことができなかったと言われている。(了)
出典元:FORTUNE:Airport and Payment Facial Recognition Systems Fooled by Masks and Photos, Raising Security Concerns(12/12)
出典元:MailOnline:Airport security and payment systems that use facial recognition can be fooled by using a 3D-printed mask of a different person’s face, researchers find(12/16)