新型コロナウイルスにより医師が死亡か、医療関係者で初めて
新型コロナウイルスに感染したと見られる中国人医師が、1月25日に湖北省で亡くなった。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙によれば、ウイルスの拡大以来、この医師は最初に犠牲になった医療関係者になるという。
武漢で治療にあたっていた医師
亡くなったのは、耳鼻咽喉科(SCMPでは外科医と伝えている)のLiang Wudong医師だ。彼は武漢の湖北新華病院に勤務しており、1月25日の午前7時に息を引き取ったそうだ。
死因はまだ確定されていないようだが、Wudong医師は先週、ウイルスに感染したとみられ、その後武漢市の別の病院へ治療のために搬送されていた。
People’s Daily, Chinaのツイートによれば、Wudong医師は、武漢で新型コロナウイルスの治療において最前線で戦い続けており、ウイルスによって亡くなったという。
Doctor Liang Wudong at the ENT department of Hubei Xinhua Hospital who had been at the front line fighting against #nCoV2019 in Wuhan, died from the virus on Sat at the age of 62. #RIP pic.twitter.com/kahysasuIB
— People's Daily, China (@PDChina) January 25, 2020
他の医師も死亡、医療関係者も発熱
またイギリスのGuardian紙は、もう1人Jiang Jijun医師も死亡したと伝えており、患者の治療によって疲労困憊し、心臓発作で亡くなったと伝えている。
さらに同紙によれば湖北保健委員会は会見を行い、これまでに11人の医療関係者が発熱し、そのうち3人は治癒しており、残りは経過観察中だと伝えたという。
現在、中国全土では28の省で1287人の新型コロナウイルスと見られる感染者がいるとされ、そのうち湖北省では729人に上るそうだ。
また死者も湖北省で39名、河北省と黒竜江省で合わせて2名が亡くなっている。
物資が不足している病院
また特に武漢市では多くの患者が病院を訪れており、交通機関が閉鎖され、人の移動制限が行われていることから病院では物資が不足しているそうだ。
実際、すでに武漢市にある20以上の病院が支援を要請しており、マスクやゴム手袋、感染を防ぐゴーグルや医療用ガウンなどが不足していると訴えている。
武漢市の保健委員会によれば、現在治療のために1万床のベッドが用意され、4000床のベッドが使用されており、また今月末までに、さらに6000床のベッドを増やす予定だと述べている。
ただベッドの数だけでなく、医療関係者への負担も大きいため、中国軍の医療チームが支援のために武漢へ派遣されたとのニュースも流れている。
About 450 military medical personnel and eight medical teams arrived in Wuhan, C China's Hubei province, on Friday to fight the new #coronavirus pneumonia. A batch of medical supplies and equipment was also sent to Wuhan by the Airborne Force. pic.twitter.com/ze0wqXA4ut
— China News 中国新闻网 (@Echinanews) January 25, 2020
全てが新型コロナウイルスの感染者ではないとしても、すでに4000のベッドが使用されているということは、実際の感染者は1200人どころか、はるかに多いのかもしれない。(了)
出典元:South China Morning Post:China coronavirus: doctor dies in Wuhan as death toll rises to 41 on mainland(1/25)
出典元:The Guardian:Coronavirus outbreak: Wuhan hospital doctor dies from virus as toll hits 41 – updates(1/25)