台湾のコロナ感染者ゼロが200日目、世界から賞賛と羨望
台湾は新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、10月29日で新規感染者数ゼロ200日目を迎えた。
いまだに多くの国が感染拡大に苦しむ中、世界からの賞賛と羨望が台湾に集まっている、と海外メディアが伝える。
4月12日以降、新規感染者なし
台湾疾病管制署(日本の疾病対策センターにあたる部署)が新型コロナウイルス感染者を最後に確認したのは今年の4月12日。それ以来感染者は一人も見つかっていない。
その200日目にあたる10月29日、疾病管制署は公式のコメントを発表。人々の協力に感謝すると共に、マスク着用と手洗い習慣の継続を求めたとのこと。
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっているが、台湾のこれまでの感染者数は合計で553人、死亡者数は7人。海外メディアによれば、早期対策の見事な成功例として、各国の医療専門家たちが賞賛しているそうだ。台湾はビジネスや観光の分野で中国との行き来が頻繁だったが、それにもかかわらずこの感染者数の少なさは注目に値する。
対策成功の理由は
ところで、気になるのは台湾の成功の理由だろう。それについて欧米メディアは、専門家たちの意見を聞いている。まとめると次の4点になる。
まず、国境を早期に封鎖し出入国を厳しく管理したこと。これが多大な効果をもたらしたようだ。台湾は1月23日から中国・武漢との航空便の運行を停止し、武漢からの人の流入を遮断した。それ以前の12月31日から、武漢からの乗客に対しては、検温などの検査が行われていたそうだ。また、海外からの入国者には、外国人であっても台湾人であっても、厳格な14日間の隔離を課した。(台湾が国かどうかについては議論があるが、ここでは表現を簡潔にするために国と書く)
次に、感染経路の追跡を徹底的に行い、見つかった感染者をすぐに隔離したことが挙げられている。経路の追跡にはスマートフォンのアプリが役立ったらしい。また、隔離された人には食事や日用品が配達されるようになっていた。一方、隔離の指示に従わないと罰金が課せられる。
マスク着用も、市中感染の抑制に大きな役割を果たした。台湾政府は早期にマスクの重要性を人々に訴え、同時にマスクの輸出を早期に禁止して国内の在庫を増やした。一方、メーカーはマスクの生産量を1日200万枚から2000万枚に増やしたそうだ。こうして確保された大量のマスクは、販売ではなく、政府当局が定期的に配給した。
また、台湾は過去にSARSの流行があり、その時の恐ろしさが人々の記憶に残っていたため、皆が政府の対策に協力したのだろうとも言われる。
新型コロナウイルスの封じ込めに成功したことは、人命を救っただけでなく、経済も救ったと言える。メディアによれば、台湾は今年の経済成長が見込まれる数少ない地域のひとつだそう。台湾政府は今年8月、2020年のGDP成長率予想を1.56%と発表した。(了)
出典元:Time:Taiwan Achieves Record 200 Days With No Local Coronavirus Cases(10/29)
出典元:Bloomberg:Record 200Days With No LocalCase Makes Taiwan World’s Envy(10/30)
出典元:Metro:Taiwan records 200th day without a local coronavirus case(10/29)