マラドーナの死を巡り、警察が脳神経外科医の自宅などを家宅捜索、医師の主張とは?
先日、亡くなったアルゼンチンの元サッカー選手、ディエゴ・マラドーナさん。彼の治療に関わった医師の自宅などが、警察により家宅捜索を受けた。
初期対応が遅かったと批判
マラドーナさんは11月25日、ブエノスアイレスにある自宅で死亡。死因は心臓発作とされた。
しかしマラドーナさんの弁護士であるMatias Moria氏は26日、このアルゼンチンのスターの死に関して、全面的に調査をするよう要望。
また初期対応が遅く、救急車が到着するのに30分以上かかったとして、これは「犯罪的な愚かさ」だと非難した。
退院の要件を満たしていなかった?
またマラドーナさんの娘さんたちも、父親がどんな薬を処方されたのかを、教えるよう求めたという。
というのもマラドーナさんは11月に硬膜下血腫を取り除く手術を受け、アルコール依存の治療も続けており、薬物乱用(コカイン中毒)の過去もあったからだ。
このため地元の検察官らが、医療体制について調査を要求。裁判官もその訴えを認めたため、今回11月の手術に関わった脳神経外科のLeopoldo Luque医師の自宅と病院に警察が入り、家宅捜索を行った。警察官らはそれぞれコンピューターや携帯電話、医療記録などを押収したそうだ。
当局によれば、マラドーナさんの自宅での回復期の療養に関して、実は退院の要件を満たしていなかったのではないか、との疑いが生じているという。
その要件には薬物中毒を専門とする24時間体制の看護師チームや、呼ばれたらすぐに駆け付けられる医師の存在、除細動器を備えた救急車の待機などが挙げられている。
そして当局者は、退院に関してLuque医師の関与を知りたいと思っているそうだ。
Legendary 💔 pic.twitter.com/BRd5oAXV9S
— Marcus Rashford MBE (@MarcusRashford) November 25, 2020
医師は間違ったことはしていないと主張
これに対し、Luque医師は、メディアの記者会見で「友人の命を救うために、できる限りのことをした」と涙ながらに語ったという。
さらに「人々は私にどんな責任があったのかを知りたいのですか?それは彼(マラドーナさん)を愛したこと、彼を世話したこと、彼の寿命を延ばしたこと、最後まで改善し続けたことです」と述べた。
そして「私は不可能になるまで、できる限りのことを行った」と語った上で、「自宅での回復期の療養に関して、自分に責任はない」と述べたそうだ。
また「彼はリハビリセンターへ行くべきだった。しかし彼は行きたがらなかった」とし、マラドーナさんは「手に負えなかった」とも語っている。
マラドーナさんの遺体は26日に、霊柩車でブエノスアイレス郊外のベラビスタ墓地に運ばれ、家族や親しい友人が出席する小さなプライベートセレモニーが行われたという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Diego Maradona’s doctor has home and clinic searched as officials open investigation into his death(11/29)
出典元:BBC:Diego Maradona: Police raid house and clinic of doctor(11/29)