イギリスで過去数カ月に500匹以上のネコが死亡、キャットフードが原因か
イギリスで現在、多くのネコが病気で死んでおり、市販されているキャットフードが原因ではないかと疑われている。
「汎血球減少症」のネコが動物病院に殺到
現在、イギリスの動物病院には、「汎血球減少症」と呼ばれる病気で運ばれるネコが増えているという。
「汎血球減少症」は、赤血球や白血球、血小板などが急激に減少する病気で、重篤な症状を引き起こすと言われている。
イギリスの王立獣医大学(RVC)は、過去数カ月に渡って、少なくとも528件の症例を確認しており、そのうちの63.5%は死んだという。
しかも多くの症例が獣医に報告されておらず、またごく一部の獣医しか「RVC」にデータを伝えていないため、これ以外にも死んだネコの数は多い可能性があるそうだ。
キャットフードが回収されていた
そしてこの病気を引き起こしているのが、市販されたキャットフードではないか、と言われている。
疑惑の目が向けられているのは、大手スーパー「Sainsbury’s」で販売されている低アレルギー性キャットフード「Applaws」や「AVA」(ブランド・Pets at Homeのもの)だ。
これらは6月中旬に製造元のFold Hill Foods社によって製品が回収され、「RVC」と「食品基準庁(FSA)」による調査を受けたという。
まだ原因は特定できず、調査中
「RVC」や「FSA」は、すでに6週間に渡って警告を発してきたそうだが、まだネコの死が、これらのキャットフードにあるとは確認できていない。
ただし現在も調査は進められており、食べ物に関係ないものも含め、あらゆる可能性を探っているそうだ。
飼い主のSteven Barrett氏によれば、彼の9歳の愛猫「フレイア」が5日間の病気の後、火曜日(8月3日)に亡くなったという。
Barrett氏によると、「フレイア」は「Applaws」しか食べたことがなく、嘔吐し始める直前に7.5kgのドライチキンフードを最後まで食べきったそうだ。
そして容態が悪くなり、いつも通っている獣医に電話したところ、同じような症例が殺到していたとか。しかも予約が取れず、緊急予約で病院へ運んだその日のうちに、愛猫は死んでしまったという。
Barrett氏はドライフードの袋に毒素が含まれている可能性があるとみており、「RVC」はウェブサイトでの声明で、様々な菌類によって自然に生成される有毒化合物「マイコトキシン」が原因である可能性に言及している。(了)
出典元:The Guardian:Toxic cat food fear as UK vets struggle with mysterious illness(8/5)