スペースXのロケットが4人の民間人を宇宙へ、3日間地球を周回する史上初のミッション
アメリカのスペースX社が、初めて4人の民間人をロケットに乗せて、地球を周回する旅を開始させた。
乗組員の1人は億万長者
その4人の民間人とは、Jared Isaacmanさん(38)、Hayley Arceneauxさん(29)、Chris Sembroskiさん(41)、Dr. Sian Proctorさん(51)だ。
Jared Isaacman さんは「Shift4 Payments」という決済処理会社を設立した億万長者で、このフライトの4つの座席すべてを約2億ドル(約220億円)で購入。残りの3席は抽選などで選ばれたという。
The crew of #Inspiration4 is go for launch. pic.twitter.com/xou4rJJnjp
— Inspiration4 (@inspiration4x) September 15, 2021
4人は9月15日(現地時間)、スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」に乗り込んだ。
その後、ロケットは日没直前に、フロリダ州のケープカナベラルにあるケネディ宇宙センターから無事に打ち上げられ、予定された軌道に到達したという。
Liftoff of @Inspiration4X! Go Falcon 9! Go Dragon! pic.twitter.com/NhRXkD4IWg
— SpaceX (@SpaceX) September 16, 2021
国際宇宙ステーションよりも高い軌道
今回、ロケットには民間人しか乗っておらず、プロの宇宙飛行士を伴わない初の有人軌道ミッションとなる。
この「クルードラゴン」は地上から360マイル(約580km)の軌道に到達。そこは国際宇宙ステーションやハッブル宇宙望遠鏡よりも高い位置にあるという。
Main engine cutoff and stage separation confirmed. Second stage engine burn underway pic.twitter.com/ihYA8ELUVA
— SpaceX (@SpaceX) September 16, 2021
View from Dragon’s cupola pic.twitter.com/Z2qwKZR2lK
— SpaceX (@SpaceX) September 16, 2021
4人の民間人は、部分的および全面的なミッション・シミュレーションを経て、ファルコン9ロケットとドラゴン宇宙船についての軌道力学、微小重力・無重力での運用、その他のストレステストに特に重点を置いた訓練を受けたそうだ。
先日は、「バージン・ギャラクティカ」社や、「ブルーオリジン」社の宇宙船も、リチャード・ブランソン氏やジェフ・ベゾス氏を乗せて、数分間宇宙に到達した。
しかし今回のスペースX社の打ち上げは、民間人だけのクルーを3日間かけて地球を何度も周回する史上初のミッションになるという。(了)
出典元:ABC News:SpaceX to send 1st all-civilian crew into orbit for 3 days(9/12)
出典元:REUTERS:First all-civilian crew launched to orbit aboard SpaceX rocket ship(9/16)