アンディ・ウォーホルの作品、贋作999枚に紛れ込ませてどれも1枚250ドルで販売
「次世代ストリートアート集団」と名乗るニューヨークのグループが、挑発的なイベントをオンラインで開催した。ウォーホルの本物の作品を、見分けのつかないコピー999枚と混ぜてシャッフルし、バラで販売したのだ。
買った人は、1000分の1の確率で本物に当たるわけだが、それが本物かどうかは、本人にも分からないことになる。
アンディ·ウォーホルの線画「Fairies」
このねじれた販売会を開催したのは、ブルックリンを拠点に活動するアート集団「MSCHF」。
彼らは、20世紀を代表するポップアートの巨匠、アンディ·ウォーホルの「Fairies」(妖精)というスケッチ画(上の画像)を複製した。精密な機械を使って線を写し、紙には特殊な処理を施し、年月が経った本物と変わらない贋作を999枚作った。
その中に、1枚の本物を紛れ込ませて、合計1000枚をオンラインで販売。価格は1枚250ドル(約2万8000円)。販売サイト「MUSEUM of FORGERIES」(贋作美術館)には、こんな商品説明がある。
作品:「たぶんアンディ・ウォーホル『Fairies』の本物」
制作アーティスト:MSCHF
素材:紙、インク
サイズ:16.75 x 13.75 インチ
説明:「たぶんアンディ・ウォーホル『Fairies』の本物」は、1000枚の全く同じ作品です。全てがMSCHFによるものであり、同時に、アンディ·ウォーホルのものである可能性もあります。どれが本物かを示す記録は破棄されました。
本物なら約2万ドル(約227万円)
MSCHFで会計を担当するDaniel Greenbergさんによれば、本物は2016年にオークションハウス「クリスティーズ」の競売で8,125ドル(約92万円)の値が付いたそう。現在の価値は、推定で約2万ドル(約227万円)とのこと。
サイトに行くと「SOLD OUT」と表示されているので、もう売り切れたよう。
それにしても、本物を買った人も、それが本物かどうか分からないというのは……。どうやら、本物であることの意味(あるいは無意味)を世に問うのが、彼ら「MSCHF」の狙いらしい。(了)
出典元:UPI:1,000 Andy Warhol sketches offered for $250 each — but only one is real(10/26)
出典元:USA Today:1,000 Andy Warhol sketches will be sold for $250 each. The catch? 999 are forgeries.(10/26)