アンネ・フランクの家族を裏切り、ナチスに密告した人物を特定か?
「アンネの日記」の作者であるアンネ・フランク。彼女の家族を裏切った人物の調査が行われた。
ナチスに密告した人物は謎だった
ユダヤ人の日記作家であるアンネ・フランクは2年間の潜伏の後、ナチスの強制収容所に送られ、1945年に15歳の若さで亡くなったという。
彼女の日記は死後に出版され、戦時中のユダヤ人の生活に関する最も有名な「生」の記録となっている。
しかし、誰がアンネの家族をナチスに密告し、彼女たちが強制収容所へ送られるようにしたのかは、謎とされてきたそうだ。
Anne Frank was one of the millions of victims of the Holocaust, the genocide of European Jews during WW2. Today is World Genocide Commemoration Day’, set up by the @UN to commemorate victims of genocide and highlighting our shared responsibility to prevent future genocides. #WGCD pic.twitter.com/KrN0wUBzmN
— Anne Frank House (@annefrankhouse) December 9, 2021
最先端の技術を使い調査
そこで、歴史家や元FBI捜査官を含む専門家のチームが、6年間を費やし、最先端の捜査技術を使い調査。
例えばコンピューター・アルゴリズムを使って、人間なら何千時間もかかるような、多くの異なる人物のつながりを検索するなどして調べていったという。
その結果、ナチスに密告した人物として、当時オランダのアムステルダムに住んでいたユダヤ人、アーノルド・ファン・デン・ベルグ氏の可能性が高まったそうだ。
As investigators dug into the question of who may have betrayed Anne Frank’s family to the Nazis, they began to focus on a suspect who was Jewish and, they say, likely used the information to save himself, his wife, and children from the genocide. https://t.co/Okgmh9LOOK pic.twitter.com/OiXCoOWsin
— 60 Minutes (@60Minutes) January 17, 2022
ユダヤ人評議会のメンバーだった
ファン・デン・ベルグ氏は、アムステルダムのユダヤ人評議会のメンバーであったと言われている。
この組織は、ユダヤ人地区においてナチスの政策を強制させる機関だったが、その後1943年に解散させられ、メンバーは強制収容所に送られたという。
しかし、ファン・デン・ベルグ氏は収容所へは送られず、アムステルダムに住み続けていたそうだ。そして1950年に死んだと考えられている。
調査を行った元FBI捜査官のヴィンス・パンコーク氏は、CBSの60分番組で次のように語っている。
「収容所行きを免除される保護をすべて失った時、ファン・デン・ベルグは彼自身と妻が安全でいられるように、これまで接触してきたナチスに何か貴重なもの(情報)を提供しなければならなかったのです」
また調査官の以前のファイルから、アンネの父親であるオットー・フランクに送られた、アーノルド・ファン・デン・ベルグを裏切り者とする匿名のメモのコピーも発見されたという。(了)
出典元:Evening Standard:Suspect who betrayed Anne Frank to the Nazis identified after nearly 80 years(1/17)
出典元:BBC:Anne Frank betrayal suspect identified after 77 years(1/17)