過去30年間で、癌の死亡率が32%減少【アメリカ】
アメリカで早期発見や治療などにより、癌による死亡率が、過去に比べ大幅に減少したことが明らかになった。
死亡率は10万人あたり146人
アメリカ癌協会によれば、国内における癌による死亡率は、1991年から2019年までの30年間で32%減少したという。(他の記事では33%との情報も)
1991年、癌の死亡率は10万人あたり215人だったが、2019年には10万人あたり146人まで減少したそうだ。
この死亡率の低下は、死者数が350万人減少したことを表しており、肺がんや乳がんなどの一般的ながんに対する予防、検診、早期診断、治療技術の向上のおかげと考えられている。
1日の死者数が最も多い肺がん
もっとも、癌は心臓病に次いで死因の第2位となり、特に肺がんの場合は、毎年23万人以上も患者がおり、1日あたりの死者数も最も多く、350人の患者が死亡しているという。
乳がんの罹患率は、2000年代半ばから実際に年0.5%ずつ増加。この理由について、アメリカ癌協会の報告書は、「肥満の女性の増加や、より少ない子供を持つ女性、30歳以降に初産を経験する女性の増加」を原因として挙げている。
脂肪組織が増えると、癌との関連が指摘されているエストロゲンというホルモンの濃度が上昇する可能性があるそうだ。
また子供の数が少なかったり、出産が遅かったりすると、乳がんの可能性が高くなることが知られているが、その仕組みはまだよく分かっていない。
しかし乳がんの死亡率についても低下しているという。
子供の癌の死亡率も大幅に低下
アメリカ癌協会の調査では、「予測される新しい癌の少なくとも42%は回避できる可能性がある」とし、癌の19%は喫煙が原因、18%は「体重過多、飲酒、栄養不良、運動不足の組み合わせが原因」であると指摘している。
また人種的には、ほぼすべての種類の癌において、白人の生存率は黒人の生存率より高く、乳がんの黒人女性の死亡率は、白人女性より41%高いという。
さらに小児および青年のがん死亡率も大きく低下しており、1970年代以来、子どもの癌の死亡率は71%も低下しており、15〜19歳では61%も減少しているそうだ。(了)
出典元:BBC:US cancer death rate drops by 30% since 1991(1/12)