ウクライナで最大規模の戦車戦、ロシア軍が130台の車両を失う
ウクライナ東部・ドネツク州の町で、ここ数週間大規模な戦車戦が行われ、ロシア軍が多くの車両を失ったと報じられている。
3週間で戦車など130両を失う
ウクライナ当局によると、ロシア軍はウクライナ南部のVuhledarの町での3週間の戦闘で、少なくとも130台の戦車と装甲兵員輸送車を失ったという。
またニューヨークタイムズ紙は、Vuhledar近郊の平原での「壮絶な」戦いは、これまでで最大の戦車戦を生み出し、ロシア側にとって痛烈な後退になったと、ウクライナ当局の言葉を伝えている。
さらにニューヨークタイムズ紙は「両陣営とも戦車を送り込み、ロシア軍は列をなして前進し、ウクライナ軍は防御的に行動し、ロシア軍の列が視界に入ると遠くから、あるいは隠れた場所から砲撃した」と報じた。
同じ過ちを犯す
これによりロシア軍はVuhledarの占領に失敗しただけでなく、戦争初期にロシア軍が何百台もの戦車を失ったのと同じ過ちを犯してしまったようだ。
ウクライナ軍のドローン映像によると、地雷で吹き飛ばされ、砲撃を受け、対戦車ミサイルで破壊されたロシア軍の戦車の残骸が、炭鉱町のあちこちの農地に散らばっているという。(下の動画はVuhledarでの戦闘とみられるもの。ただし確認はできていない)
Two more anti-tank mines were successfully destroyed by Russian troops in the Vuhledar front pic.twitter.com/Vz2XjkgOQ5
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) February 28, 2023
またニューヨークタイムズ紙は、ロシア軍がVuhledarで経験豊富な戦車隊長の不足に苦しみ、戦闘員の多くはウクライナの待ち伏せ戦術の訓練を受けていない新兵だったと伝えている。
バフムトから撤退する可能性を示唆
一方、同じくドネツク州の町、バフムトではウクライナ軍が撤退の可能性を示唆している。
ウクライナの大統領顧問(経済担当)であるAlexander Rodnyansky氏は、自軍が重要拠点であるバフムトから軍を撤退させることを決定するかもしれないとし、CNNに対し次のように語った。
「我が軍は当然、すべての選択肢を検討するつもりだ。これまでのところ、彼らは街を維持しているが、必要であれば、戦略的に撤退するだろう。我々は無駄に国民全員を犠牲にするつもりはない」
そのバフムトについて、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏は、ウクライナ軍が「猛烈な抵抗」を示していると述べたという。
その上で「これまでのところ、ウクライナ軍が撤退する兆候は見られない」と語った。
クリミア半島で大規模なドローン攻撃
ウクライナ南部のクリミア半島では、ウクライナ軍による大規模なドローン攻撃が行われたようだ。
ロシア国防省は3月1日、ウクライナ軍による大規模な無人機攻撃を、ロシア軍が撃退したと発表した。
ロシア国防省は「6機のウクライナの攻撃用ドローンが防空システムによって撃墜された。さらに4機のウクライナ製ドローンが電子戦によって無効化された」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Moscow loses at least 130 tanks in Vuhledar, report says; Putin preparing to meet China’s Xi in Moscow – as it happened(3/1)