韓国で教師らが大規模なデモ、生徒や親からの嫌がらせに抗議
韓国の教師らが、不当な扱いを受けていることへ抗議し、大規模なデモを行ったという。
自分たちの権利の改善を求める
9月4日、韓国の首都・ソウルの国会前で開かれた集会には、黒い服を着た推定1万5000人(5万人との情報も)の教職員が参加したという。
またこのような集会は、韓国の他の都市でも行われ、デモに参加するため教師たちは休暇を取り、この結果いくつかの学校が一時的に休校になったそうだ。
彼らは、威圧的な親や手に負えない生徒たちによる広範な嫌がらせに抗議し、自分たちの身を守るために権利の改善を求めているという。
About 50,000 South Korean teachers rallied in Seoul to demand better protection of their rights and highlight the widespread harassment they face from overbearing parents that has spurred some colleagues to take their lives https://t.co/YJYrvj0fqX pic.twitter.com/aXomwhYQ6K
— Reuters (@Reuters) September 5, 2023
7月に23歳の女性教師が自殺
韓国では、生徒のしつけをしたために教職員が児童虐待で訴えられるなど、不当な扱いを受けていることへの怒りが高まっていたという。
またこの抗議デモのきっかけは、今年7月に23歳の小学校の女性教師が死亡したこと。その女性教師は、生徒の親からの苦情に不安を表明した後、ソウルの学校で遺体となって発見された。彼女は自殺したとみられている。
それ以来、全国の教師たちは毎週末、女性教師の死を悼み、権利の改善を求める集会やデモを実施。週末にはソウルで20万人もの教師が集まる集会が開かれ、9月4日は、自殺した女性教師の49日目にあたるため、参加者は黒い服を着て喪に服したという。
「教師が虐待されている」
キムさんという教師は、支持を示すためにソウルの集会に来たとし、メディアの取材に対して、次のように語っている。
「教師は、子供たちの未来を形作る重要な存在です。学校は安全であるべきで、教師が虐待されるような場所ではありません」
韓国政府のデータによると、2018年以降、今年の6月の時点で100人の教師が自殺で亡くなっており、そのうち57人が小学校で教鞭をとっていたという。
またここ数日も、教師の自殺と見られる事件が数件報告されており、教師への虐待に対する怒りはさらに高まっているそうだ。
抗議活動を主導しているグループ「Everyone Together As One」は「私たちは彼ら(教師)を守り、これ以上命を絶つ教師が出ないように変えていきます」と語っている。(了)
出典元:The Guardian:South Korean teachers stage walkout over harassment by parents and students(9/4)