キューバ人を傭兵として雇う、ロシアの人身売買組織を摘発
ウクライナで戦うキューバ人をリクルートする、ロシアの人身売買組織が摘発された。
組織の無力化と解体を進める
キューバ外務省は9月4日、ウクライナでロシアの「傭兵」として戦うキューバ人をリクルートすることを目的とした、人身売買組織を摘発したと発表した。
この人身売買組織は、キューバとロシアで活動しているらしく、現在キューバ当局がこのネットワークを無力化し、解体するよう動いているという。キューバ外務省は声明で、次のように述べている。
「内務省は、人身売買ネットワークの無力化と解体に取り組んでいる。このネットワークは、ウクライナでの戦争に参加する軍隊に、ロシアに住むキューバ人、さらにはキューバ出身の人間を組み入れるために、ロシアから運営されている」
ただしキューバ外務省は、人身売買組織の一員としてウクライナの戦争に参加したキューバ人がいるかどうか、あるいはその組織がロシア政府と何らかのつながりがあるかどうか、については言及していない。
ロシアの地方紙も報道していた
実は今年5月にも、ロシアの地方紙「Ryazan Gazette」は、「数人のキューバ人」がウクライナで戦うためロシア軍と契約したと伝えていたという。
また以前、ロシア国内に住む移民が徴兵事務所に連行され、軍務に付かされる例があるとも報じられた。
しかも現在、ロシア軍はウクライナでの戦闘を継続させるために、さらに兵力を増強しようとしているそうだ。
伝統的に両国は緊密な関係
共産主義のキューバは伝統的にロシアと緊密な関係にあり、今回のウクライナ侵攻についても、西側がロシアを挑発したと非難していたという。
またロシアは、ヨーロッパの安全保障とウクライナに関する西側との話し合いがうまくいかなかった場合、キューバに武器を配置することを示唆しているそうだ
今回のキューバ外務省の声明は、そんな中で発表され、両国の摩擦が表面化した珍しい例と言える。
キューバはもともと、歴史的にも傭兵の使用に関して明確に反対の立場をとってきたという。しかしロシア軍は、すでにウクライナでも、「ワグネル」に代表されるような傭兵を多く使っている。
今回のキューバ外務省の声明に対して、ロシア側はまだ反応を示していない。
子供を含む17人が死亡
9月6日、ウクライナのドネツク州にある町、コスティアンティニフカ(Kostiantynivka)に対して、ロシア軍の攻撃が行われ、混雑した市場が被害を受けたという。
ウクライナ当局によれば、この市場は前線から20㎞離れた場所にあり、ロシア軍の攻撃により、子供を含む17人が死亡したという。
このロシア軍による攻撃は、ここ数カ月間で最大規模とされ、死者以外にも32人が負傷したそうだ。
GRAPHIC CONTENT
This video, shared by Ukrainian President Volodymyr Zelensky, shows how Russian artillery shelled the Ukrainian city of Kostiantynivka in Donetsk Oblast on Sept. 6. pic.twitter.com/IHgVbaYNZp
— The Kyiv Independent (@KyivIndependent) September 6, 2023
ウクライナのデニス・シュミハル首相は、この空爆を「テロ攻撃」と呼び、その後の記者会見で次のように述べた。
「戦場の状況を反映したものだ。ウクライナの国防軍による積極的な前進がある時はいつも、ロシア軍は民間人や民間の建物などを標的にする」(了)
出典元:The Guardian:Cuba uncovers ‘human trafficking ring’ recruiting for Russia’s war in Ukraine(9/5)
出典元:The Guardian:Russian strike on crowded Ukraine market leaves at least 17 dead(9/6)