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「何も描かれていない作品」を制作したアーティストに、借りたお金の返済命令

「何も描かれていない作品」を制作したアーティストに、借りたお金の返済命令
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キャンバスに何も描かれていないものを作品として提出したデンマーク人・アーティストに、借りたお金の返済命令が下された。

 

紙幣を飾っただけの作品の再制作を依頼

 

そのアーティストとは、イェンス・ハーニング氏だ。彼は2007年に「An Average Danish Annual Income(デンマークの平均年収)」という作品を発表。これはクローネ紙幣を、ただキャンバスに貼り付け、額縁に入れただけのものだったという。

 

また2011年にも、オーストリアの平均年収というテーマで、ユーロ紙幣をキャンバスに入れただけの作品を発表し、2021年にはデンマーク北部の町、オールボーにある「クンステン近代美術館」から、これらの2つの作品の再制作を依頼されたそうだ。

 

美術館側は、作品の再制作のために、約53万2000クローネ(約8万ドル:約1100万円)をアーティストに貸し、また報酬として約4万クローネ(85万円)を支払ったという。(1万クローネとの報道も)

 

しかし、新しく届けられた作品を開梱してみると、「Take the Money and Run(金を奪って逃げろ)」というタイトルの、何も貼られていないキャンバスの入った2つの額縁しかなかったそうだ。

 

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借りたお金を返すよう判決

 

その後、美術館はこの2つの作品を展示したが、ハーニング氏がお金の返却を拒否したため、裁判で訴えることに。

 

そして9月18日、コペンハーゲンにある裁判所は、ハーニング氏が美術館から借りたお金を返すよう命じたが、アーティスへのト報酬は支払われるべきだと判決を下した。

 

クンステン美術館のラッセ・アンダーソン館長は、メディアに対して「私たちは裕福な美術館ではありません。私たちは資金をどのように使うか慎重に考えなければなりません。私たちは余裕がある以上のお金を、費やせないのです」と語っている。

 

一方、ハーニング氏は当時、CNNの取材に対して、次のように語っていた。

 

「私は自分の芸術的観点から、美術館が想像するよりもはるかに優れた作品を制作できると考えた」「お金を盗んだとは思っていない。私は当初計画していたものより10倍も100倍も優れた芸術作品を作ったのだ。何が問題なのか?」(了)

 

出典元:The Guardian:Danish artist who submitted empty frames as artwork told to repay funding(9/18)

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