Uberが飲酒の有無を判断する新技術を開発するも、懸念が指摘される


自動車の配車サービスを提供する米企業Uberが、飲酒の有無を判断することが可能な新たな技術の特許を申請し、注目を集めている。

 

アプリを使用するだけで乗客の飲酒の有無を判断

 

Uberは今回の技術の特許申請にあたり、新技術は“機械学習を用いたユーザー(乗客)の状態の予測”を行い、“通常と異なるユーザーの状態”を判断することが可能なもの、と言及。

 

同社が提供する自動車配車アプリの利用者(乗客)が、使用中に通常とは異なる振る舞いを見せているか否かを判断することができる、としている。

 

これにより乗客がアプリの使用中に酔っている、あるいは違法薬物の使用などにより興奮状態にあることを判断することが可能になるという。

 

申請された特許には、歩行の速度や配車を行う際の通常とは異なるタイプミス、携帯電話を持つ角度、さらには携帯電話がふらついているか否かなどが判断できるデータも含まれており、これらのデータとアプリの利用者の行動を照らし合わせることで、乗客の飲酒等の有無を判断することができるようだ。

 

Pexels

新技術導入には複数の懸念も

 

一方、この新技術の導入にあたっては、幾つかの懸念も指摘されている。

 

まず第一に、この技術の導入によって危険に晒されるのは酒に酔った配車サービスの利用者(乗客)の方ではないか、という指摘だ。

 

CNNの調査によると、米国内でのUberの配車サービスにおいてはこの4年間で少なくとも103人のドライバーが乗客に対し性的暴行を行い、その罪に問われており、被害者の多くが酒に酔っていたことが明らかとなっている。

 

酒に酔った乗客からドライバーを保護することは可能となっても、新技術によってその逆は行えないということだ。

 

Pexels

 

さらにもう一つの懸念として挙げられるのが、認知症や身体障がいを患う利用者が健康な人とは異なるスピードで文字を打ち込んだりすることなどによって、酒に酔っていると判断されてしまう可能性だ。

 

Uberはこれまでにも障がいを持つ利用者に対して適切なサービスを提供していない、などの理由から複数回にわたり訴訟を起こされたこともあるが、今回の技術が実際に導入されれば同様の議論が巻き起こる可能性が考えられる。

 

またこの技術に関しては、個人データ保護の観点からの懸念も存在する。

 

Uberは2014年、個人利用客の行程を同社の従業員が追跡することが可能となる“God View”と呼ばれる技術を使用したことにより、激しい批判に晒されている。

 

酒に酔った利用者がより多く料金を支払う可能性も

 

同技術の導入により考えられる問題はこれだけではない。

 

この導入によっては、酒に酔った利用者がより多くの料金を支払うようになる可能性も指摘されている。

 

Uberの配車サービスにおいては固定料金が適用されるタクシーとは異なり、悪天候や交通トラブルなど乗客の配車需要が高まっている時にドライバーの数が不足している場合、利用料金が急騰することがある。

 

新技術の導入が行われれば、このようなことが酒に酔っていると判断された利用者の乗車に際しても起こる可能性がある。

 

実際のところUberで勤務する行動科学者は2016年、携帯のバッテリーが低下している際には、利用者は普段よりも高い料金を払うことを厭わない、と言及。

 

このことから鑑みると、酒に酔った利用者も料金に対する判断が鈍っていることが考えられ、そのような利用者に対して通常より高い料金が設定される可能性もあるとみた方が良さそうだ。

 

 

Uberが開発した飲酒の有無を判断する新技術。何らかのサービスにこの技術を応用することはできそうだが、同社のアプリへの導入には色々と不安がありそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Uber developing technology that would tell if you’re drunk(6/11)

出典元:The Guardian:Uber’s plans to identify drunk passengers could endanger women(6/13)

出典元:Medium:なぜ悪天候の日にUberとタクシーで10倍以上も料金が違ったのか。(2017/10/29)