米・ステルス駆逐艦「ズムウォルト」を改修、極超音速兵器が搭載可能へ
現在、アメリカ海軍の最新鋭駆逐艦に改修工事が行われ、今後極超音速兵器が搭載されることになる。
砲塔の代わりにミサイル発射管を設置
ステルス駆逐艦「ズムウォルト」は現在、ミシシッピ州の造船所にあり、現在作業員が2つの砲塔のあった場所に、ミサイル発射管を設置しているという。
この発射管には、極超音速ミサイルが搭載される予定で、これが完成すれば「ズムウォルト」は、遠距離から高速かつ精密な攻撃を行うためのプラットフォームになるそうだ。
「ズムウォルト」級駆逐艦は3隻あり、1番艦から順次ミサイル発射管が設置されるという。
陸上攻撃能力を提供する予定だった
実は「ズムウォルト」は、海兵隊が上陸するのを支援するため、先進砲システムによる陸上攻撃能力を提供する予定だったという。
このため、この艦には2つの砲塔「155mm先進砲システム」が設置され、ロケットの補助推進により発射される長距離対地攻撃砲弾が搭載されていたそうだ。
しかし、これが非常に高価で、結局一度も使用されなかったという。そのため今回、これらの砲塔に代わり、ミサイル発射管が設置されることになり、実用性を高めることになった。
合計12基の極超音速兵器を装備
極超音速兵器はマッハ5(音速の5倍)を超えて飛行し、機動性も高いため撃墜が困難だとされている。
現在、「ズムウォルト」向けに開発されている計画には、「通常即発攻撃(Conventional Prompt Strike)」があるという。
これは音速の7~8 倍の速度で移動する極超音速滑空体を放出して目標に命中させるもので、現在海軍と陸軍がこの兵器システムを共同で開発しているそうだ。
「ズムウォルト」級駆逐艦にはそれぞれ4基のミサイル発射管が装備されることになり、各発射管にミサイルが3基ずつ搭載されるため、1隻あたり合計12基の極超音速兵器が装備される予定となる。(了)
出典元:ABC News:Stealth destroyer to be home for 1st hypersonic weapon on a US warship(11/30)