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豪でエリザベス女王の追悼式、各地で「君主制廃止」のデモが発生

豪でエリザベス女王の追悼式、各地で「君主制廃止」のデモが発生
Twitter/Elisabeth Moss

オーストラリアでは、9月22日にイギリスのエリザベス女王の追悼式が行われたが、同じ日には各地で「君主制廃止」を求めるデモも起きたという。

 

ブリスベン、シドニーなど各地でデモ

 

オーストラリアの首都・キャンベラで行われた国家追悼の日の式典で、アンソニー・アルバニ―ジ―首相は、エリザベス女王の献身的な働きを称えた。

 

しかし同じ日には、オーストラリアの先住民たちなどが、エリザベス女王と英国の植民地化の影響に反対する抗議集会を開いたという。

 

このような抗議デモは、ブリスベン、シドニー、メルボルン、キャンベラなどでも行われ、多くの参加者が「君主制廃止」を求めたそうだ。

 

残忍な植民地化の象徴

 

オーストラリアは立憲君主制をとっており、それまでの君主はイギリスのエリザベス女王であり、多くのオーストラリア人にとって、女王は不変と献身の象徴であった。

 

しかしオーストラリア先住民にとって女王は、1788年にイギリス人入植者がやってきた時に彼らの土地を奪った、残忍な植民地化の象徴に映っているという。

 

このため抗議デモに参加した人々の一部は、オーストラリアとイギリスの国旗を燃やしながら、「王室は血にまみれている」や「わが国民は、この国でまだ毎日死んでいる!」と述べていたそうだ。

 

総督も先住民の苦しみを認める

 

イギリス王室のオーストラリアにおける公式代表のデビッド・ハーリー総督は、先住民が感じている痛みや苦悩を認め、次のように述べている。

 

「女王陛下が果たされた統一的な役割を考慮すると、女王陛下のご逝去が我々のコミュニティの一部から様々な反応を引き起こしていることは認めます。私は、多くのオーストラリア先住民の反応が、我々の植民地時代の歴史と、より広範な和解の旅によって形作られていることを意識し、敬意を表します。これは、私たち国家が成し遂げなければならない旅なのです」

 

オーストラリアでは1999年の国民投票で、イギリス王室との憲法上の結びつきを断ち切る案が否決されている。

 

またアルバニ―ジ―首相は、イギリス連邦から離脱し、共和制への移行を目指していたが、少なくとも2025年までは、共和制移行に関する国民投票の実施を見送った。

 

代わりに先住民の権利を憲法に明記することに重点を置くことを希望しているという。(了)

 

出典元:VOA:Protesters Rally Against Australia’s Day of Mourning for Queen Elizabeth II (9/22)

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