承認公聴会でロバート・F・ケネディ氏が、過去の発言について厳しく追及される
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トランプ大統領により、保健福祉長官に指名されたロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の承認公聴会が1月29日、議会で開かれ、上院議員らが過去の発言について問いただした。
「ワクチンを支持する」
これまでロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、米疾病予防管理センター(CDC)がCOVID-19ワクチンを、科学的根拠もなしに承認したと主張。長年、ワクチンに懐疑的で、接種にも反対してきたが、承認公聴会では「ワクチンを支持する」と述べたという。
またケネディ氏は、「ライム病が、軍事的に設計された生物兵器である可能性が高いと、私は言ったと思います」と過去の発言を認めた。
しかしCDCによると、ライム病はある種の細菌によって引き起こされ、マダニに噛まれることで広がると言われている。
さらにケネディ氏は以前から、飲料水に含まれる環境毒素が子供の性自認に関連していると示唆し、殺虫剤が子供たちをトランスジェンダーに導くとも主張してきたが、公聴会では「そう主張したことは一度もない」と述べたそうだ。
米領サモアでも過去に「反ワクチン」運動か?
公聴会でケネディ氏は、アメリカ領サモアでの麻疹流行に自分は無関係であると述べた。
実は、アメリカ領サモアでは2019年に麻疹が流行し、5700件を超える症例が確認され、83人が死亡したという。
しかし当時、医療事故などから麻疹のワクチンへの信用が低下し、さらにケネディ氏が訪問して、講演活動やSNSを通じ、積極的に「反ワクチン」の言説を広めていたと言われている。
医学誌「The Lancet」によると、保健省は、ケネディ氏の訪問と発言が、重要な時期にワクチン接種への躊躇を促したと指摘しているという。
サモアの保健局長、アレック・エケロマ教授は、ガーディアン紙に次のように語っている。
「私たちは沈黙することはできないし、沈黙すべきでもありません。私たちはこの(ケネディ氏の)指名が何を意味するか知っています。それは反ワクチン派のプラットフォームが増え、ワクチンや健康プログラムへの資金が減ることを意味します。これは我々の健康安全保障に対する脅威として、扱われなければなりません」
環境問題に携わってきた弁護士のケネディ氏は、長年にわたって自閉症とワクチンに関連があると主張し続けてきたが、この主張は複数の信頼性の高い研究によって否定されている。(了)
出典元:ABC News:Fact-checking RFK Jr.’s claims on vaccines, pesticides at confirmation hearing(1/30)