プーチン大統領、米の停戦案について「話し合うべき問題が残っている」と発言

ロシアのプーチン大統領は3月13日、ベラルーシを訪れ、ルカシェンコ大統領と会談し、共同記者会見でアメリカの停戦案について言及した。
複数の問題点を指摘
14日にアメリカのウィトコフ特使と会談するに先立ち、プーチン大統領はアメリカが提案したウクライナとの停戦案について、基本的に「賛成する」としつつも、まだ話し合うべき問題があると述べた。
プーチン大統領は、停戦後にクルスク州へ侵攻しているウクライナ軍が撤退するのか、または降伏するのか、分からないと指摘。問題点の1つとして挙げた。
またプーチン大統領は、ロシア軍が現在、前線のほぼ全てのセクターで前進していると主張し、30日間の停戦により、ウクライナ側は強制的な動員を行い、西側からの武器供給を継続し、新たに動員された部隊を訓練できる可能性を指摘した。
さらに2000kmの前線に沿って停戦協定違反があった場合、誰が場所を特定し、誰が非難されるのか?停戦違反の責任を誰が負うのか?と疑問を呈した。
その上でプーチン大統領は、これら全ての問題を、双方が慎重に入念に検討する必要があるとし、トランプ大統領との電話会談も必要だろうと示唆。しかし同時に、「この紛争を平和的な手段で終わらせるという考えそのものを、我々は支持する」と述べたという。
米露交渉が「ヨーロッパの運命を握る」
その一方で、プーチン大統領は「この停戦は永続的な平和をもたらし、この危機の根本原因を取り除くべきだ」とも述べている。
またベラルーシのルカシェンコ大統領も、共同記者会見の場で、気になる発言をした。
「もし、ロシアがアメリカと合意すれば、ウクライナとヨーロッパは終わりだ。アメリカとロシアの交渉プロセスは、ヨーロッパの運命をその手に握ることになる」
これらの首脳らの言葉の意味は明確ではないが、専門家によれば、プーチン大統領はNATOが旧ソ連圏に拡大し始めた1997年以降の加盟国への兵器配備を停止するよう求めるなど、2021年からの広範な要求のいくつかに立ち戻る可能性があるという。
また専門家は、ロシア側がこの交渉において、最大限の要求を突きつけると見ており、ウクライナの非武装化、西側諸国の軍事援助の停止、ウクライナをNATOに加盟させないことなどが含まれる可能性があるそうだ。
さらにウクライナへの外国軍の派遣禁止や、クリミアを含め、ロシアが2022年に一方的に併合したウクライナの4地域に対する、国際的承認を求める可能性もあるという。
ヨーロッパでは、これらの停戦条件により、西側諸国の軍事的プレゼンスが弱まり、プーチン大統領がヨーロッパ全体に影響力を拡大する可能性があると懸念する人が多いそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Trump says Nato ‘stepping up’ and hopes Russia will do ‘right thing’ after Putin’s ceasefire comments – live(3/13)