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イランのハメネイ師、米軍による攻撃は「深刻な結果」をもたらすと警告

イランのハメネイ師、米軍による攻撃は「深刻な結果」をもたらすと警告
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イランの最高指導者であるハメネイ師は6月18日、テレビ演説を行い、アメリカに対して警告した。

 

「更なる行動の計画がある」

 

ハメネイ師は演説で、アメリカのトランプ大統領が要求した「無条件降伏」を受け入れないとし、「誰にも屈服せず、押し付けられた平和や戦争は決して受け入れられない」と発言した。

 

またアメリカ軍によるイラン領土へのいかなる攻撃も、「深刻で、取り返しのつかない結果をもたらすだろう」と警告した。

 

イスラエルによるイラン攻撃についても、「重大な過ち」であり、「罰せられる」とし、「更なる行動の計画がある」とも述べたという。

 

さらに、この紛争へのアメリカの介入は、イスラエルの「弱さと無力さ」の表れであるとも指摘した。

 

「フォルドゥ」への攻撃は決定していない

 

一方、トランプ大統領は6月18日、イラン中部の都市Qom近郊にある「フォルドゥ核燃料濃縮施設」への攻撃について、「まだ決定していない」と記者団に語った。

 

「フォルドゥ核燃料濃縮施設」は地下80~90mにあるとされ、イスラエル軍の空爆でもダメージを与えられず、アメリカ軍の所有する大型貫通爆弾「バンカーバスター(GBU57)」でないと、破壊できないと言われている。(GBU57でも破壊できないとの意見もある)

 

また「バンカーバスター」は非常に大型のため、アメリカ空軍のステルス爆撃機「B2」でしか投下できないと言われ、イスラエル軍はその爆撃機を所有していない。

 

このためイスラエルのネタニヤフ首相や親イスラエルのロビー団体などは、トランプ大統領にイラン攻撃への関与を望み、働きかけている。

 

トランプ氏やイスラエルのネタニヤフ首相などは、証拠を示さず、イランが今後、数週間で核兵器を開発すると主張しているが、イラン側は核兵器の開発を否定しており、国連の原子力機関も、イランが核兵器を開発している兆候はないと指摘している。

 

イスラエル軍がイランで40カ所を攻撃

 

イスラエル軍は6月18日にも、イランへの攻撃を繰り返し、遠心分離機製造施設や兵器施設を含む40カ所を攻撃したと発表した。

 

国際原子力機関(IAEA)も、イスラエル軍の攻撃により、イランの遠心分離機製造施設2カ所が攻撃を受けたと認めている。1カ所は首都のテヘラン、もう1カ所はイラン北部の都市、Kahrajにあるという。

 

またKahraj近郊ではイスラエル軍により、パヤム空港が狙われ、その付近で爆発が確認された。

 

 

さらにイラン中部の都市、エスファハーン近郊では、イスラエル軍により2台の車両が攻撃され、乗車していた妊婦と夫など6人が死亡。死者の中には10歳と13歳の子供も含まれていたという。

 

イスラエル軍は、イラン上空で「自由に活動している」と主張しており、制空権を掌握したと考えられている。

 

イラン側は「セジル・ミサイル」を使用

 

一方、イラン側もイスラエルへのミサイル攻撃などを継続しており、イラン革命防衛隊(IRGC)は、ミサイル攻撃が「集中的かつ継続的」に続けられると述べた。

 

 

またイラン革命防衛隊は、今回のイスラエルへの攻撃で「セジル・ミサイル(Sejjil missiles)」を発射したと明らかにした。

 

「セジル・ミサイル」とは、イランで設計・製造された「2段式固体燃料・中距離弾道ミサイル」で、全長は18m。射程距離は2000kmとされ、約700kgの弾頭を搭載できるという。

 

これまでにイラン側は約400発のミサイルと数百機のドローンを発射し、イスラエル国内で少なくとも24人が死亡、数百人が負傷したとされている。

 

一方、ガザ地区でもイスラエル軍の攻撃が続けられており、18日には支援物資を求めて配給所付近にいた11人を含め、少なくとも34人のパレスチナ人が殺害された。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Israel, Iran continue missile attacks; 144 killed in Gaza in last 24(6/18)

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