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今年からアメリカの19州で時給の最低賃金が引き上げられることに

今年からアメリカの19州で時給の最低賃金が引き上げられることに
Flickr_Maryland GovPics

アメリカの19州で1月1日から、1時間あたりの最低賃金が引き上げられることとなり、話題になっている。

 

各州によって増加の割合は異なる

 

その19州とは「アラスカ」「アリゾナ」「アーカンソー」「カリフォルニア」「コロラド」「コネチカット」「フロリダ」「ハワイ」「メイン」「マサチューセッツ」「ミシガン」「ミズーリ」「モンタナ」「ニュージャージー」「ニューヨーク」「オハイオ」「サウスダコタ」「バーモント」「ワシントン」。

 

また「オレゴン」や「ワシントン,D.C.」「メリーランド」の各州も、2017年の後半に最低賃金の引き上げを行うとみられている。

 

もっとも賃金の増加の割合は各州によって違い、同じ州内でも地域によって異なる場合があるという。

Flickr_Fibonacci Blue

中心街と郊外では賃金が異なる

 

例えばニューヨーク州では、中心街のニューヨーク・シティでは時給の最低賃金が11ドル(約1290円)、中小企業は10.5ドル(約1230円)に対し、南部の郊外になると10ドル(約1170円)、さらにその他の地域では9.7ドル(約1130円)になるそうだ。(為替レートは1月4日時点)

 

これは2009年7月に、最低賃金が6.55ドル(約770円)から7.25ドル(約850円)に引き上げられて以来のことだとされている。

 

生産性を考えれば19ドルが妥当?

 

しかし7.25ドルから11ドルに引き上げられても、まだ十分ではないという見方もあるようだ。

 

ワシントン,D.C.に拠点を置くシンクタンクの「経済政策研究所」が昨年7月に発表した報告によれば、このまま経済が成長を続ければ、最低賃金はもっと高くなるはずだという。

 

実際、最低賃金が生産性の上昇に歩調を合わせれば、1時間あたり7.25ドル(当時の最低賃金)ではなく、約19ドル(約2200円)になってもおかしくはないとしている。

Flickr_Maryland GovPics

多くの経営者たちは反対の立場

 

もっとも多くの経営者たちは、利益を生むことが難しくなるとして、最低賃金の引き上げには反対しているそうだ。

 

ニューヨーク州のレストラン協会などは、賃金の上昇分を吸収するため、1人前の分量を減らしたり、これまではメイン料理に含めていたサイドメニューにも料金をかけたりすることを検討しているという。

 

賃金引き上げを求めた#Fightfor15運動

 

一方、4人の子供の父親で、ファーストフード店で働くAlvin Majorさん(51)はAPの取材に対し「食料品の価格も上昇しているし、家賃も上がり、全てが値上がりしています。このことは非常に多くの人にとって、効果を及ぼすでしょう」と語っている。

 

また大統領予備選で民主党の指名争いを繰り広げたバーニー・サンダース氏は、最低賃金を15ドル(約1750円)に引き上げるよう求め続けた「#Fightfor15」運動について言及。

 

ツイッターで「#Fightfor15は4年前に始まったばかりですが、すでに大きな進歩を成し遂げました。なぜなら、あらゆる場所に住む人々が、この思想の正当性に気づいているからです」と述べている。(了)

 

出展元: AP: Pay to rise for millions as 19 states increase minimum wage (2016/12/29)

出展元: abc NEWS:19 States Increase Minimum Wage at the Start of 2017(1/1)

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