目の中が光り輝く男性、虹彩が異常をきたす珍しい症例が報告される
医療関係の学術誌において、ある男性の虹彩が輝くという珍しい症例が報告された。
家族に「緑内障」の病歴があることを告白
11月13日に発表された学術誌「The New England Journal of Medicine」によれば、その男性患者(44)は新しい土地に引っ越した後、眼科医を訪れ、自分の目の病気を見てもらったという。
男性患者は病院で、目と脳をつなぐ視神経の束がダメージを受ける病気「緑内障」の病歴が、自分の家族にあると告白した。
「緑内障」は見える範囲が狭まる病気で、一般的に目の中の圧力が高まることで起き、実際に男性はすでに目の圧力が高いと診断されていたそうだ。
このため検査や施術を受け、圧力を下げる薬を処方された。
Image of the Week: Iris Transillumination Defects in Pigment Dispersion Syndrome pic.twitter.com/yVRJgytgcS
— NEJM (@NEJM) November 19, 2019
「虹彩徹照異常」であることが判明
検査では目の中の圧力は、平均よりも僅かに高い程度だったという。
しかし医者が顕微鏡を使い、明るい光をあてた時、両方の目が「虹彩徹照異常」であることが明らかとなる。
これは言い換えれば、光が虹彩を通して輝く現象のことで、虹彩から色素の部分が失われて、光が通り抜けることで目が輝くように見えるそうだ。
また男性はその後、「色素散乱症候群」と診断される。この状態は虹彩の裏側で色素がこすり取られることを指す。
こすり取られた色素の薄片は目の排水システムを詰まらせ、結果として眼圧が上昇。それが緑内障へ導くと考えられたそうだ。
「色素散乱症候群」は非常のレアな病気だが、20代から30代の男性には一般的に症状が現れ、遺伝的なものが原因になっている可能性があるとも言われている。
今回の男性患者の場合、詰まった目の排水路を開くために、レーザーによる手術を受け、目の外へと液体を流すことで圧力を減らすことができたという。
しかし今後も、しばらくは圧力を低下させるための薬を飲み続けなければならないそうだ。(了)
出典元:LiveScience:Man’s ‘Glowing’ Iris Was a Sign of Rare Eye Syndrome(11/14)