イギリスでもインド変異株が徐々に増加、高齢者施設でクラスターも発生
イギリス政府は、新型コロナウイルスのインド変異株について、慎重に見極め、対処する方針を述べた。
増えつつある変異株「B.1.617.2」
オリジナルのインド由来の変異株「B.1.617」は、昨年の10月に検出されたが、その後僅かに遺伝子が変異した3つの亜種に特徴付けられたという。
そのうちの1つ、「B.1.617.2」として知られる変異株が今、イギリスでは急速に増えつつあるそうだ。
実際、これは他のインド由来の変異株の中で大部分を占めており、他のバージョンよりも急速に増えているとか。
高齢者施設で変異株クラスター
実際、先週には感染者が202人から、520人に増加。その多くはロンドンやイングランドの北西部で検出されたという。
感染者のうち約半分が、渡航に関連した人や、旅行者と接触した人物とされているが、職場や宗教行事関連のコミュニティ内での感染も確認されているそうだ。
また高齢者施設でのクラスターがすでに1件確認されており、ワクチンを接種した高齢者14人全員が変異株に感染した。
しかしその多くは重症化しておらず、病院での治療を受けた後、全員が回復したと考えられている。
ワクチンで、ある程度は防御できる
現在のワクチンは変異株に対しても、ある程度の防御能力があると考えられているが、特に高齢者や重症化しやすい人々に対しては、完全に感染を防ぐことはできないと見られている。
イングランド公衆衛生サービスは、インド変異株の「B.1.617.2」を「懸念すべき変異株」に格上げしており、科学者も最初にイギリスのケントで検出された変異株(イギリス型)と同じように感染力が強いと考えているという
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、次のように述べている。
「政府は公衆衛生の対応について、非常に注意深く考える必要がある。インド変異株のアウトブレイクを見つけた時、検査を増やし、個別訪問検査を確実に実施できるようにするため、現在膨大な量の作業を行っています」(了)
出典元:BBC:PM: India coronavirus variant must be ‘handled carefully’(5/7)