【動画】カメラに収められた2つの「単細胞の死」に考えさせられる
単細胞生物とは、名前が示す通り、ひとつの細胞でできている生物のことだ。顕微鏡を覗きこまないとなかなか観察できない生き物だが、その死は他の生物と変わらないのだと考えさせられる2つの映像がある。
顕微鏡に収められた命のバトン
2019年11月26日にインスタグラムに投稿された単細胞の死がこちらだ。
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投稿したのは、米フロリダ州にあるHarbor Branch Oceanographic Instituteで働く、科学者のHunter N. Hines氏。徐々に身体が壊れているのは、繊毛虫(せんもうちゅう)類の単細胞生物だ。ゾウリムシ、ツリガネムシ、ラッパムシなどが繊毛虫類に属している。健康的な個体はピンクっぽい色をしているが、この映像の中では徐々に色を失っているのがわかる。
自然死ではなく、スライド上に設置するカバースリップで潰れてしまったそうだ。壊れていく身体から逃れようとするように、繊毛が動いているのが印象的だ。
死が近づくにつれて、周囲を動き回る小さい点が増えているが、これは死んだ個体から栄養を補給しようと集まって来たバクテリアだという。顕微鏡でしか観察できない世界でも、しっかりと命のバトンは受け継がれている。
「大きさに関係なく、命ははかない」
単細胞生物の死を収めた映像はもうひとつある。それがこちらだ。
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こちらで最期を収められているのも、繊毛虫類の単細胞生物。動き回る繊毛の様子はこちらの方が分かりやすい。投稿者のJames Weissさんは、顕微鏡の世界に引き込まれ、Jam’s GermsとしてYouTubeに動画を投稿している男性だ。
2018年のクリスマスに、「大きさに関係なく、命ははかない」とのコメントともに公開された動画だが、コメント欄には、「なぜクリスマスに泣かなくてはいけないのか」「胸が痛くなった」「本当に命ってはかないものだね」など、見知らぬ単細胞生物の死を悼む声が多数寄せられている。(了)