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アルツハイマー型認知症の元バレリーナ、白鳥の湖を聞いて再び踊り出す

アルツハイマー型認知症の元バレリーナ、白鳥の湖を聞いて再び踊り出す
YouTube/ Música para Despertar

1960年代にはニューヨーク・シティ・バレエ団の一員として、人々を魅了していたMarta C. Gonzálezさん。年月が過ぎてアルツハイマー型認知症となった彼女が魅せた、「彼女らしさ」が人々を驚かせている。

 

白鳥の湖に反応

 

アルツハイマー型認知症であるGonzálezさんは、老人ホームのResidencia Muro de Alcoyで、車イスでの生活をしている。認知症は彼女の生活を一変させてしまったが、元バレリーナとしての情熱は、アルツハイマー型認知症にも消すことができなかった。

 

そのことがよくわかる動画がある。NPO団体の「Música para Despertar(目を覚ます音楽)」が、10月30日に公開したこちらの映像だ。

 

 

白鳥の湖を聞き、右手を動かし始めたGonzálezさん。途中であきらめたように動きを止めるが、付き添いの男性が手を握り、手の甲にキスをすると、彼女は再び舞い始めた。

 

指先から視線の動かし方まで、バレリーナとして活躍した彼女らしい動きを見せてくれている。この動画は10日間ほどで10万回以上再生され、数々のSNSにも転載されてシェアされている。

 

音楽で認知症の方々に輝きを

 

この動画は2019年に撮影されたもので、残念ながらGonzálezさんはすでに亡くなられているとのこと。きっと多くの人々が思い出すのは、車イスに座る彼女ではなく、生き生きと舞う姿だろう。

 

アルツハイマー型認知症は、ついさっきの出来事を忘れてしまう短期記憶障害が初期のうちから現れる。次第に過去の記憶も失われていくが、長年の習慣として身についた動作、楽器やダンスなどの体で覚えたものなどは、比較的失われにくい。

 

子どもや若い頃に聞いていた音楽を聴くことが、過去の出来事を思い出すきっかけとなり、脳の活性化や心身の安定など、認知症の方に良い影響があると考えられている。(了)

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