ジンバブエで国軍が国営テレビを占拠「大統領は無事」「標的は大統領の周辺」
今月14日夜から15日未明(日本時間15日午前)にかけ、ジンバブエの首都ハラレで国軍により国営放送局ZBCが占拠された。
国軍「クーデターではない」
AFP通信によれば15日、ハラレ郊外にある大統領邸近くに住む住民が「午前2時(同9時)すぎ、30~40発の銃声が聞こえた。3~4分続いた」と話したという。
国軍将校はテレビ演説を行い、ロバート・ムガベ大統領とその家族は無事だと語った。さらに「クーデターではない。」と強調する一方で、「標的は大統領の周辺で、社会的かつ経済的困難をもたらしている人物だ。」とも述べた。
軍は否定しているが、事実上のクーデターとみられている。下の動画は、軍が首都へ装甲車などを移動させる様子。
Another video of military tanks on the move in Zimbabwe. In this one, someone says “the army are backing Mnangagwa” in Shona at the end of the video. pic.twitter.com/kpeY6TOdey
— Doug Coltart ✊🏽🇿🇼 (@DougColtart) November 14, 2017
Soldiers and a parked Armoured Personnel Carrier at corner Samora Machel Ave and 4th St, Harare, Zimbabwe this afternoon.
One at each end of the street that Monomotapa Building (Seat of the Executive) is on.
Mood fairly calm.#Zimbabwe #ZimbabweCoup pic.twitter.com/8xznfe9Gjy
— Doug Coltart ✊🏽🇿🇼 (@DougColtart) November 15, 2017
ジンバブエ、ロバート・ムガベ大統領とは
ジンバブエが英国より独立した1980年に同国首相、1987年に同国大統領に就任したロバート・ムガベ氏は、35年以上にわたり政権を維持していた。90歳を超えても政治権力の座についているため、「世界最悪の独裁者」と称されたこともある。
英国の植民地時代、ジンバブエは白人の技術を取り入れた農場で輸出産業が潤っており、かつては「アフリカの穀物庫」と呼ばれるほどの農業国だった。
しかし独立後、独裁政治を貫いたムガベ氏によるガバナンスはとても脆弱で、2000年以降極度の経済的混乱に陥っていった。そして2008年、大統領選挙をめぐる混乱と、過度の紙幣発行によりハイパーインフレーションが起こり、同国の経済は破綻した。
https://twitter.com/advocatemahere/status/930718348689793025
Zimbabwe military takeover: What we know so far —@AJEnglish #ZimbabweCoup
https://t.co/2IFxZbdZgd pic.twitter.com/R6jKw22Xuj— Doug Coltart ✊🏽🇿🇼 (@DougColtart) November 15, 2017
今回の内乱は、時期大統領選挙に絡むものか
事の発端は今月6日、第1副大統領のエマーソン・ムナンガグワ氏が解任されたことによる。
同氏はムガベ氏の後継候補としてみられていた時期もあったが、ムガベ氏が次期大統領を妻のグレース・ムガベ氏に引き継ぐ意思があると公言したため、ムナンガグワ氏と大統領の妻は対立する関係となっていた。
しかしムナンガグワ氏は国軍の支持を受けていたため、同氏の解任に軍が反発。13日にはコンスタンチノ・チウェンガ国軍司令官が、公然と大統領を批判したため、「クーデターが起きるのではないか。」と不穏な空気が流れていた。(了)
出典元:INDEPENDENT:Zimbabwe: Army tanks seen heading towards capital Harare amid rising tensions between Robert Mugabe’s ZANU-PF and military(11/14)他