インドネシアで8歳の少女がゾウに踏まれて死亡、頭蓋骨を骨折

インドネシアで先日、少女が野生のゾウに踏まれて死ぬという、痛ましい事件が起きた。
昏睡状態の後、死亡を確認
その事件が発生したのは10月30日、場所はスマトラ島東部のリアウ州にある西ルンバイ地区とされている。
当時、約10頭に及ぶ野生のゾウが、トウモロコシ畑近くの木造住宅に現れ、8歳になる少女、シトラちゃんは家族と共に逃げていたという。
しかしそのうち1頭のゾウに踏みつけられ、頭蓋骨を骨折。その後、3日間の昏睡状態が続いたが、シトラちゃんは11月1日に死亡したそうだ。
足を滑らせて転倒
警察によれば、10月30日の夜明け頃、少女の父親であるサルド・プルバ氏が、家の外で大きな音を聞き、家の前に3頭のゾウがいるのを見つけたという。
プルバ氏は、3頭のゾウが家屋を倒壊させるのではないかと恐れ、妻と4人の子供を連れて裏口から逃げ出したそうだ。
しかしパニックに陥ったシトラちゃんは足を滑らせて転倒し、追いかけてきたゾウに踏みつけられたという。
森林の喪失、過去のトラウマ
専門家は、根本的な問題はゾウではなく、彼らの生息地である森林の急速な喪失にあると指摘している。
かつてこの地域は、スマトラゾウの広大な移動地であったが、今ではアブラヤシやゴム、アカシアのプランテーション、そして工場に徐々に取って代わられ、ゾウは餌を求めて人間の居住地の近くにまで押し寄せているという。
またゾウの保護団体である「リンバ・サトワ財団」のズルフスニ・シュクリ理事長は、このような事件は、ゾウが受けてきたトラウマに起因していると指摘。次のように述べている。
「このような事件は、リアウ州で、何十年にもわたって人間の介入によって、ゾウが受けてきたトラウマに起因しています。村から追い出されたり、罠にかかったり、花火に驚かされたりといった経験です。このトラウマがゾウの行動を変化させ、より攻撃的になったのです」
ゾウは過去のトラウマに遭った場所へ戻り、強力な嗅覚で人物を認識し、彼らを攻撃するという。(了)
出典元:SCMP:Elephant tramples Indonesian girl to death as human-wildlife conflict escalates(11/9)

























