伊警察、3億円の名画をニセ物にすり替え、盗んだ泥棒をだます
先日、イタリアで名画が盗まれたが、その後あらかじめ情報を察知していた警察が、すでにニセ物にすり替えていたことが明らかにされた。
盗もうとする計画を事前に察知
その名画とは、フランドル地方(ベルギー西部、オランダ南部、フランスの北部)の画家、ピーテル・ブリューゲル(子)が17世紀に描いた「キリストの磔刑」。
これは北西部リグーリア州の街、カステルヌオーヴォ・マグラにあるSanta Maria Maddalena教会で展示されており、約3億8000万円の価値があるとみられている。
ところがこの街の捜査当局(国家憲兵)は、この名画を盗もうとする計画を事前に察知。このためあらかじめ名画をニセ物にすり替え、教会内にも防犯カメラを設置していたという。
そうと知らない泥棒の集団は3月13日に教会内に侵入。ハンマーでディスプレーのケースを叩き割り、ニセの名画を盗んでいった。
現在、警察は泥棒たちをとらえた防犯カメラの映像を分析している。
教会の関係者も黙っていた
実はこの作戦には、国家憲兵だけでなく、市長や街の関係者も関わっていたらしい。
Daniele Montebello市長によれば、オリジナルの名画は1カ月前から、ニセ物に置き換えられていたという。
また市長は、飾られていた絵画が本物ではないと気づいた教会の関係者も、秘密を守ってくれたとして、感謝の言葉を述べている。
この絵画は父のピーテル・ブリューゲル(父)が描いた作品をコピーしたものとされ、19世紀に裕福な家族によって教会に寄付されたが、約40年前にも盗難の被害に遭っていたという。(了)
出典元:INDEPENDENT:Thieves steal fake €3m Bruegel masterpiece after police swap painting with copy(3/14)
出典元:MailOnline:Police foil art heist by switching £2.5 million masterpiece for a fake before thieves steal it from Italian church(3/15)