乗客は機内で窒息死していた?マレーシア航空機墜落で専門家が新たな見解を示す
2014年にインド洋上空で消息不明になった、マレーシア航空「MH370便」。
この事故に関する新たな見解が、専門家により示された。
いまだに謎の残る事件
「MH370便」は2014年3月8日に、マレーシアの首都クアラルンプールから、中国の北京へと向かって飛び立った。
しかし離陸から50分後に飛行ルートから外れ、消息不明に。これにより乗客乗員239名(乗客227名、CA10名、パイロット2名)の命が失われたと考えられている。
なぜ「MH370便」が飛行ルートを外れたのか?どこに墜落したのか?これらはいまだに謎のままだ。しかし現在では、当時操縦していたZaharie Ahmed Shah機長(53)が、故意に海へ墜落させたとの説が有力視されている。
そして今回、この事故を独自に調査してきたグループが、新たな見解を示した。
機長が高度1万2000mに急上昇させた?
この調査グループは航空専門家らで構成され、彼らの一部は公の調査でも、原因究明に協力したと言われている。
その調査チームが「The Atlantic」に語ったところによると、Shah機長は当時、操縦していたボーイング777を故意に飛行ルートから外したと考えられるという。
そしてあえて燃料が尽きるまで機体を旋回させたか、もしくは機体の先端から海へ突っ込んだ可能性があると指摘している。
また航空専門家のWilliam Langewiesche氏は、Shah機長が機内を減圧する前に、副操縦士を殺したか、または抵抗できない状態にしたと考えられると主張。
調査チームの1人で電気技師のMike Exner氏も、当時機長が機体を高度4万フィート(約1万2000m)まで急上昇させ、これにより機内の減圧プロセスを加速させたと考えている、と述べた。
乗客は機内で窒息死していた?
またLangewiesche氏によれば、機体が飛行コースを外れてから、乗客がそれに気づいた可能性もあるという。
このため意図的な機内の減圧は、手に負えない状況に陥る可能性のある客室内を鎮圧させるための、唯一の方法だったと考えられる、と述べている。
その際、客室内には酸素マスクが下りたと考えられるが、それらは緊急降下する際に高度1万3000フィート(約4000m)で15分しか使えないものになっているため、4万フィートではほとんど役に立たなかったと考えられるそうだ。
その上でLangewiesche氏は「(減圧によって)乗客らは数分間で抵抗できない状態になり、意識を失い、息苦しくなることも喘ぐこともなく窒息し、静かに死んでいったと考えられる」と述べている。
もっともまだ、Shah機長が故意に墜落させたと結論づけられたわけではない。
ただ同僚や仲間のパイロットらも、機長の犯行説を認めざるを得ないとも述べており、機長の精神状態(鬱状態)が原因だとする見方も示されている。(了)
出典元:METRO:MH370 pilot ‘flew to 40,000ft to suffocate passengers before crashing plane’(6/18)
出典元:BUSINESS INSIDER:A chilling report suggests the pilot on MH370 may have depressurized the cabin, ‘gently’ killing the more than 200 passengers on board before crashing(6/17)