ニューオーリンズ市がランサムウェア攻撃を受け、非常事態宣言を発令
アメリカのルイジアナ州にある都市が、サイバー攻撃を受け、ネットワークを遮断した。
身代金を要求するランサムウェア攻撃
12月13日、ニューオーリンズ市の市役所にあるコンピューターが何者かによってサイバー攻撃を受けたという。
これは身代金を要求する「ランサムウェア攻撃」で、シティホールを管理する職員が検知したそうだ。(ランサムウェアとは、ファイルを暗号化し、解除と引き換えに金銭を要求するマルウェアのこと)
これによりニューオーリンズ市のLaToya Cantrell市長はシステムの電源を落とし、非常事態宣言を発令した。
警察や救急サービスにも影響はなし
しかし攻撃を仕掛けてきた側は市と接触を試みておらず、今のところ何の要求もしていない。また消防や救急サービス、コンピューターの支援による緊急派遣なども影響を受けていないという。
警察署でも現在のサービスは維持されており、事件などに対処する時間も同じままだとか。ただ通報の記録をマニュアルに戻しているだけだと語っている。
現在、警察はルイジアナ州警察から派遣されたサイバーセキュリティの専門家やFBI、ルイジアナ州兵、合衆国シークレットサービスと共に協力して、このサイバー攻撃について調査しているそうだ。
午前5時には異変を検知していた
今回の攻撃は、最近州レベルで仕掛けられたサイバー攻撃と類似していたという。
またフィッシングメールによる疑わしい行動や、マルウェアなども13日の午前5時頃には検知されており、午前8時頃にはその活動が活発化しているのも分かっていたそうだ。
そして午前11時から11時30分には、コンピューターのネットワークが機能不全に陥り、シティホールの職員が公的住所システムをシャット・ダウンするよう指示され、コンピューターの電源などのプラグも抜いたとされている。
ネットなしでも対処できるよう訓練していた
しかしどの市の職員も、攻撃を引き起こさせるような行為、例えばマルウェアをクリックするなどの行為は行っていないという。
市のセキュリティを担当しているCollin Arnold氏は、近年起きたハリケーンによる災害のために、市がこの種の事件でもよく準備出来ていたとした上で、次のように述べている。
「私たちはインターネットなしでも、ネットワークがなくても運営できるようにしています。それは明らかにより困難にさせますが、しかし人々の安全面の見地に立って、ハリケーンシーズンのためにも、そのような状況でトレーニングしているのです」(了)
出典元:ABC News:New Orleans city government hit with cyberattack(12/14)