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イランの核施設で大規模な爆発、原因は不明だがサイバー攻撃の可能性も

イランの核施設で大規模な爆発、原因は不明だがサイバー攻撃の可能性も
flickr_Ninara

先日、イラン中部のナタンズにある核濃縮施設で大規模な爆発事故が起き、その原因についてさまざまな憶測が飛び交っている。

 

遠心分離機を製造している建物

 

ニューヨーク・タイムズ紙によれば、この事故が起きたのは7月2日で、爆発に伴う火災によりイランの主要な核燃料製造現場の建物が突き破られ、次世代の遠心分離機を製造していると思われる工場に「大きな被害」が生じたという。

 

この爆発は、イランの核プログラムに関連した他の施設で複数の火災が発生してから起きており、破壊工作の結果であるとの疑いが生じているそうだ。

 

この事故については、イラン原子力エネルギー機構(省)のスポークスマン・Behrouz Kamalvandi氏によって確認され、その際にダメージを受けた建物の写真も発表されている。

 

2010年にはサイバー攻撃が行われた

 

もっとも原子力エネルギー機構は、この事故がどのようにして起きたのか、または遠心分離機の組み立て作業が行われている地下施設において、どの程度のダメージがあったのかは明らかにしていない。

 

一方、アメリカの情報当局者は、ニューヨーク・タイムズに対して、この爆発が建物の内側に仕組まれたデバイスによって引き起こされたと述べている。

 

これにより地上にある施設の大部分が破壊されたが、そこでは稼働する前の新しい遠心分離機の調整が行われていたという。

 

ダメージを受けた建物は、ナタンズにある核施設の内部にあり、建物のすぐ隣には地下の生産施設があったそうだ。

 

この地下施設に対しては2010年、アメリカとイスラエルの共同組織「Stuxnet」によって高度に洗練されたサイバー攻撃が仕掛けられ、数千の遠心分離機が破壊されたと言われている。この結果、イランの核開発を数年間後退させることができたという。

 

一般的な事故であるとの見方も

 

しかし今回の事故については、サイバー攻撃によるものかどうか、明らかになっていない。10年前に起きたサイバー攻撃のような巧妙さは見受けられないとの指摘もある。

 

BBCのペルシャ語サービスによれば、「ホームランド・チーター」と呼ばれるグループが、事故が公表される数時間前に爆発原因に関してメールで伝えてきており、サイバー攻撃の可能性は低いものの、なんらかの破壊工作が行われたとの見方を示したという。

 

ただデジタル情報セキュリティ会社「Cyjax」の統括管理者・Ian Thornton-Trump氏は、今回の爆発について最も可能性の高いシナリオは、一般的な事故であるとの見方を示している。

 

イラン原子力庁によれば、事故のあった建物は濃縮活動が行われている場所ではなく、事故による負傷者はなく、放射性物質の漏洩などもなかったという。(了)

 

 

出典元:Forbes:Iran Nuclear Facility Explosion: Accident, Sabotage, Or Cyber-Attack?(7/3)

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