中央アフリカの国から姿を消したクロサイ、50年ぶりに自然へ解き放たれる


中央アフリカの国、チャドから密猟により姿を消していたクロサイが、50年ぶりに同国の自然に帰されたとして注目されている。

 

南アフリカから特別な檻で移送される

 

6頭のクロサイは5月3日、南アフリカから飛行機で移送され、3000マイル(約4800km)離れた、チャドに無事到着したという。

 

クロサイは到着する前、気候などに慣れる間、特別に作られた檻の中に置かれていたが、ついに6頭がチャドにあるZakouma 国立公園の自然に解き放たれたそうだ。

 

このプロジェクトは南アフリカとチャドの両政府と、南アフリカ国立公園、そして国際NGOの「African Parks(Network)」による前例のない共同作業の結果とされ、移送まで2年間も入念な準備をしたとされている。

 

 

2万5000頭弱しか残っていない

 

もともとクロサイはアフリカ南部や東部の大部分に生息していたが、現在は限られた保護区に閉じ込められ、守られているという。

 

そのため1995年以来少しずつ頭数が増えているが、それでも各地で密猟が行われ、現在でも危機にさらされているそうだ。「African Parks」のCEOであるPeter Fearnhead氏も、次のように語っている。

 

「サイはこの惑星に千年間も渡って生き延びてきました。しかしサイの角に対する飽くなき需要により、2万5000頭弱しか残っていません。彼らは生存よりも、絶滅する種に属しているのです」

 

Facebook/Charl Gouws

自然公園を安全な場所へ変えた

 

もっともこのような野生動物の自然への再導入は、過去にもマラウィやボツワナといった国々で行われ、成功してきたという。

 

そしてNGOの「African Parks」も以前、ルワンダでサイを自然に帰す取り組みを率いてきたそうだ。そして今回、チャドもそれらの国の仲間入りを果たすこととなった。

 

「African Parks」は2010年に、Zakouma国立公園の管理を引き継ぎ、その場所を動物たちが安全でいられる「聖域」に変えるよう、チャド政府とともに活動してきたという。

 

南アフリカ駐在のチャド大使であるSagour Youssouf Mahamat Itno氏は、次のように語っている。

 

「このことは私たちとAfrican Parksとのパートナーシップの強い絆を示すものであり、Zakouma国立公園が安全な聖域に変わったことを記念するものです。今、私たちはチャドにサイを戻すことができます。そこでサイたちは永続的な保護を受けることになるでしょう」

 

今回の移送計画では法の執行機関やコミュニティの協力もかかせなかったという。自然に戻されたサイたちが平和に暮らしていくことを願う。(了)

 

※下の動画はルワンダでサイを自然に返した時の映像。

 

 

出典元:INDEPENDENT:Black rhinos return to Chad 50 years after poaching wiped them out(5/5)

出典元:ABC News:Black rhinos return to Chad, nearly 50 years after local extinction(5/3)