米国の沼地で樹齢2624年の“生きた”木を発見!人間の活動により枯れる恐れも…
米国で樹齢2624年を誇るとみられる木が発見され、世界でも高齢の木の一つとして注目を集めている。
縄文・弥生時代から生き続ける木
樹齢2624年を誇る木が発見されたのは、米国ノースカロライナ州を流れる川、ブラック・リバー沿いの沼地。
研究者らがここに位置する「ラクウショウ(別名ヌマスギ)」と呼ばれる木の年輪を調べたところ、少なくとも樹齢2624年に至ることが判明した。
これは有性生殖性の木(雌雄の違いを持ち、雌雄間で遺伝子の交換を行うことにより新たな固体を生み出す木のことを指す。これに対してクローン性の木は雌雄の違いを持たず、一つの固体から遺伝子的に同一の幹を生み出し、数万年もの歳月を生きることができる)としては、世界で最高齢のものの一つになるという。
ちなみに2624年前といえば、日本では縄文時代(もしくは弥生時代。縄文時代については諸説あり:約3000年前から2300年前)。世界においてはキリスト教やローマ帝国が誕生する以前となっている。
2,624-Year-Old Tree, Discovered In A North Carolina Swamp – What Could Kill It? https://t.co/gwhyD0YhUr pic.twitter.com/4BoRvxgHrD
— greatlakesledger (@glakesledger) May 10, 2019
世界で5番目に長く生きることができるラクウショウ
今回の研究によると、ラクウショウは湿地帯に根を張る木の中では、地球上で最も長く生きてきた種であることがわかったという。
さらに湿地帯に根を張るもの以外の木の種と比較しても、ラクウショウは世界で5番目に長く生きることが出来る種とのこと。
ラクウショウよりも長く生きることが出来る木としては、ウェスタンジュニパー、ジャイアントセコイア、パタゴニアヒバ、ブリスルコーンパインが挙げられるという。
中でもブリスルコーンパインにおいては、カリフォルニア州のホワイト・マウンテンに位置する世界最高齢のものが樹齢5066年を誇るとされており、これは今回発見されたラクウショウの2倍近い年月を生きてきたこととなる。
尚クローン性の木における世界最高齢としては、ユタ州に位置する“パンド”と呼ばれるポプラの森が知られている。この樹齢は8万年以上とみられており、森には地下に張る巨大な根と、そこから生える4万本以上のポプラの木の幹が今も存在している。
人間の活動により枯れてしまう恐れも…
一方、今回の研究においては、発見されたラクウショウが生命の危機にさらされる可能性があることも判明している。
研究においては、ラクウショウが“伐採や水質汚染、海面上昇の脅威にさらされている”ことを指摘。
ラクウショウが生えるのは、自然保護団体「ザ・ネイチャー・コンサーバンシー」が所有し保護している地域であるとしつつも、油断はできないとしている。
A 2,624-year-old tree found alive in an American swamp could be killed by climate change https://t.co/kTiQ1uYQMd pic.twitter.com/IDKSsizguF
— Find Friends (@findfriendsuk) May 10, 2019
今回発見された樹齢2624年をも誇るラクウショウ。世界には樹齢1000年を超えていながらも未発見の木が数多く存在しているとされているが、次はどんな木が発見されることになるのか楽しみだ。(了)
出典:Fox News:Scientists discovered a 2,624-year-old tree in a North Carolina swamp. Climate change could kill it.(5/10)
出典:Charlotte Observer:In an NC swamp, researcher finds tree older than Christianity. Could there be more?(5/9)
出典:ナショナル ジオグラフィック日本版:その森は、8万年を生きる「クローン生命体」だった(2017/12/3)