フランスの上院議員がトランプ氏を痛烈批判、演説が世界中で話題に

フランスの上院議員が先日、議会で演説したのだが、その内容が話題となり、世界で注目を集めているという。
トランプ氏を、暴君のネロ皇帝に例える
その上院議員とは、Claude Malhuret氏だ。彼は3月4日、フランス議会の上院で8分間の演説を行い、アメリカのトランプ大統領を痛烈に批判した。
Malhuret氏はまず、「ヨーロッパが歴史の重大な転換点にある」と指摘。アメリカの盾が崩れ、ウクライナは見捨てられる危険にさらされ、ロシアが強化されたと主張した。
またトランプ氏を、暴君のネロ皇帝に例え、ワシントンが、気性の激しい皇帝や従順なご機嫌取り(バンス副大統領やルビオ国務長官など)、そして公務員の粛清を担当するケタミン中毒の道化師(イーロン・マスク)のいる、ネロ皇帝の宮殿になったと述べた。
「同盟国に対する侵略者を支持した」
その上でMalhuret氏は、「歴史上、敵に屈服したアメリカ大統領はいない。同盟国に対する侵略者を支持した人物もいない」と発言。
「アメリカの憲法を踏みにじり、これほど多くの違法な大統領令を出し、それを阻止できたはずの裁判官を解任し、軍参謀本部を一挙に解任し、すべての抑制と均衡を弱め、ソーシャルメディアを掌握した人物もいない」と述べた。
そしてアメリカ政治の現状について、「これは民主主義が没収される始まりだ」とし、ナチスのヒトラーが、当時のワイマール共和国と憲法を崩壊させるのに、1カ月と3週間と2日しかかからなかったことを指摘した。
トランプのビジョンはプーチンと同じ
さらにMalhuret氏は、アメリカがロシアと北朝鮮とともに、国連総会でロシア軍の撤退を求めるヨーロッパに反対票を投じたことや、ベトナム戦争の兵役逃れをしたトランプ氏が大統領執務室で、ゼレンスキー大統領に道徳や戦略を説き、服従するか辞任するかを迫ったこと、その後、ウクライナへの軍事支援を停止したことを非難した。
その上で、Malhuret氏は、「トランプのビジョンはプーチンのビジョンと一致している」と指摘し、勢力圏への回帰、大国が小国の運命を決めようとしているとの見方を示した。
そして最後に、「私たちの両親は、多大な犠牲を払ってファシズムと共産主義を打ち負かした。私たちの世代の課題は、21世紀の全体主義を打ち負かすことだ。自由なウクライナ万歳、民主的なヨーロッパ万歳」と述べ、演説を締めくくった。
Malhuret氏の演説は、その後アメリカのCNNでも放送され、やがて世界中で支持を集めたという。(了)
出典元:Bulletin of the Atomic Scientists:For this French senator, Trump is a traitor—and Europe is now alone(3/6)
出典元:HUFFPOST:Stop What You’re Doing And Watch This French Senator’s Take On Trump, Musk(3/6)