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軍の作戦を議論していた米高官のグループチャットに、ジャーナリストが招待される

軍の作戦を議論していた米高官のグループチャットに、ジャーナリストが招待される
flickr_Microsiervos

アメリカ政府の安全保障に関するグループチャットに、誤って雑誌の編集長が招かれていたことが明らかにされた。

 

ホワイトハウスも主張を本物と認める

 

その編集長とは、「アトランティック」誌のジェフリー・ゴールドバーグ氏だ。

 

ゴールドバーグ氏によれば、メッセージアプリ「シグナル」のグループチャットには、ヘグセス国防長官やJ・D・バンス副大統領、マイク・ウォルツ国家安全保障問題担当補佐官、マルコ・ルビオ国務長官などが含まれていたという。

 

そのチャットに誤ってゴールドバーグ氏も含まれることになり、当時高官らはアメリカ軍による、イエメンの「フーシ派」への攻撃について議論を行っていたそうだ。

 

ヘグゼス国防長官は3月24日、ゴールドバーグ氏の説明に異議を唱え、彼を「欺瞞的で、非常に信用できないジャーナリストだ」と批判。「彼はゴミ(でっちあげ)を広める男だ。それが彼の仕事だ」と述べたという。

 

またトランプ氏も、マスク氏の「アトランティック誌は信用できない」といった内容を再投稿し、ゴールドバーグ氏を批判した。

 

しかしその後、ホワイトハウスは「ゴールドバーグ氏の主張が本物であるようだ」とし、現在「調査している」と明らかにした。

 

「重大なセキュリティ侵害」

 

3月14日のイエメン攻撃の2時間前に交わされたチャットでは、J・D・バンス副大統領が、「フーシ派」に対する攻撃は「欧州を再び救う」ことになるとして否定的な意見を述べ、「トランプ大統領は、これが現在のヨーロッパに対する彼のメッセージと、どれほど矛盾しているかを認識しているのか?」と疑問を呈したという。

 

ヘグゼス国防長官も「ヨーロッパのタダ乗りは不愉快だ。馬鹿げている」とバンス副大統領の意見に理解を示したが、「フーシ派」への攻撃能力を有しているのはアメリカだけだと主張、最終的には攻撃が許可された。

 

ゴールドバーグ氏によれば、チャットグループではイエメンへの攻撃がうまくいっていると報告されると、高官らが拳の絵文字や火の絵文字、アメリカ国旗の絵文字などを投稿し、共有し始めたという。

 

チャットが本物だと気づいた時、ゴールドバーグ氏は「アメリカの国家安全保障システムに大規模なセキュリティ侵害を発見した」と思ったそうだ。

 

米上院軍事委員会の筆頭理事である民主党のジャック・リード上院議員は声明で、「トランプ大統領の閣僚らが示した不注意は驚くべきものであり、危険だ」と指摘。「もしこれが事実なら、この話は私がこれまで目にした中で、最も酷い作戦上のセキュリティの失敗の1つであり、常識の欠如だ。(略)なぜなら、アメリカ人の命がかかっているからだ」と批判した。

 

下院民主党の院内総務を務めるハキーム・ジェフリーズ氏も「これらの人々は信じられないほど無能で無責任であり、アメリカの国家安全保障を危険にさらしている」と非難した。

 

また2016年の大統領選挙の数日前、私用メールサーバーを使用していたことで批判を浴びたヒラリー・クリントン元国務長官は、今回のことを受け「まさか冗談でしょう」とSNSに投稿した。(了)

 

出典元:ABC News:Messages with Yemen war plans inadvertently shared with reporter appears ‘authentic’: Official(3/25)

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