オウムはどこまで賢いのか?状況に合わせて道具を作る様子を調べた研究がユニーク
エサを取るためにオウムが、どれだけ状況に適応させて道具を作っているかを調べたユニークな研究が行なわれた。
状況に合わせて道具が作れるか?
そもそも以前の調査でもオウムがダンボールや柔らかい木をちぎって道具を作り、箱の中のエサをとることは確認されている。(下の動画はオックスフォード大の実験動画)
しかしどこまで状況に適応させて、正確に、または使用可能な形の道具を作れるのかは分かっていなかったという。
そこで今回、オーストリアのウィーン医科大学などの研究者が調査を行い、その結果を11月7日に専門誌「PLOS ONE 」において発表した。
距離を考え、長さを変えて作れる
研究者らは実験において6羽の大人のシロビタイムジオウムに、大きなダンボールのシートを提供。穴が開いた箱の中にエサを置き、彼らの行動を観察した。
箱の中のエサの位置は、穴から4cmや16cmなどさまざまな距離に設定。また穴の大きさも直径1cmから2cmとそれぞれ変えたという。
この結果、オウムはエサまでの距離に合わせてさまざまな長さの道具を制作。エサまでの距離が短かった場合は、短い道具を作ったそうだ。
また全てのケースにおいて、最初の道具が短くエサに届かない場合、次には長い道具を作ることができたとされている。
そして6羽のオウムが平均して、エサの距離より長い道具を作っており、調査が進むにつれてエサが取れないリスクを避けるために、最初から長めの道具を作る傾向を見せたという。
小さい穴を通す道具には苦労
一方、穴が小さくなった場合は、それに合わせて上手に道具を作ることができなかったようだ。
最も穴を小さくした場合、そこを通せるほど細い道具を作り、エサを取ることができたのは、6羽のうち1羽しかいなかったとされている。
このため研究者らは、素材を割くために使われるオウムの切り取るテクニックは、細さという点ではダンボールでは限界があった可能性があると指摘。今後の研究では、ダンボールよりも加工の制限の少ない素材を試す予定だという。(了)
出典元:Eurekalert!:Goffin’s cockatoos can create and manipulate novel tools(11/7)