ゾウの大きさの哺乳類に似た爬虫類、ポーランドで化石を発見
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三畳紀に生息していたと思われる、哺乳類に似た大型の爬虫類の化石が発見され、注目を集めている。
2億5000年前の獣弓類の化石
この化石を見つけたのは、スウェーデンのUppsala大学やポーランド科学アカデミーなどの研究者たち。
彼らは協力してポーランドのLisowiceと呼ばれる村で発掘し、2億5200万年前から2億100万年前、三畳紀の後半に生息していた獣弓類の新しい種の化石を発見できたという。
獣弓類とは恐竜やワニ、哺乳類、翼竜、カメ、カエル、トカゲなどの先祖と同時期に存在しており、今回見つかった化石はその中でもディキノドン類の新しい種と考えられている。
またこの恐竜は、村の名前やドイツ人解剖学者のLudwig Heinrich Bojanus氏にちなんで「Lisowicia bojani」と名付けられたそうだ。
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以前の化石よりも40%も体が大きい
「Lisowicia」の大きさは現代のゾウと同じくらいで、長さが4.5m、高さは2.6mほど。体重も約9トンあり、以前発見されたディキノドン類よりも40%も大きかったと言われている。
また足の骨の分析により、「Lisowicia」は哺乳類や恐竜と同じように成長が早く、以前発見されていたディキノドン類の化石よりも、さらに1000万年も遅い時期のものだという。
そして今回の化石の発見は、首が長くて有名なディプロドクスのような大型の草食恐竜(竜脚形亜目)と同じ時期にディキノドン類が生息していた証拠となり、従来の考えを覆すことになったそうだ。
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超巨大大陸「パンゲア」の時代
大学のリリースによれば、2億5200万年前頃の地球は、各大陸が1つにつながった「パンゲア」と呼ばれる超巨大大陸が形作られていたという。
その頃、哺乳類の先祖と同時に、最初の恐竜が出現したと考えられているそうだ。
この獣弓類という種は哺乳類に似た爬虫類で、人間を含めた哺乳類の先祖と考えられていたため、研究者らは近年この獣弓類に関心を抱いてきたとか。
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この獣弓類のグループの1つ、「ディキノドン類」は草食動物で、大きさは小型の掘穴動物から大型の掘穴動物ほどまで幅がある。彼らの多くは歯がなく、ペルム期に起きた大量絶滅期を生き延び、その後三畳紀の半ばから後半にかけて繁栄したとか。
そして恐竜が繁栄を極める前に、絶滅したと考えられているそうだ。(了)
出典元:UPPSALA UNIVERSITET:Gigantic mammal “cousin” discovered(11/22)