熱波の影響によりアメリカの川の水温も上昇、サケが危機的な状況に
アメリカ北西部を流れる川では、熱波の影響により水温が上昇し、多くのサケに影響が出ているという。
傷を負ったサケたちの姿
過去数週間に渡る熱波により、ワシントン州を流れるコロンビア川の支流、リトル・ホワイト・サーモン川では、水温が21℃になっているという。
保護団体の「Columbia Riverkeeper」は7月16日、そのような状態の川を泳ぐサケ(sockeye salmon)の様子を撮影。動画をYouTubeに投稿した。
そこには体のいたるところに大きな傷を負い、ボロボロの状態となったサケの姿が映っていた。
体の白い傷はストレスによる感染か
「Northwest Tribal Salmon Alliance」のDon Sampson氏は、「コロンビア川のサケが死につつあります。ご覧のように、サケは致命的なまでに熱い水の中にいます。今、サーモン・クライシスの只中にいるのです」と語っている。
また動画にある、サケの体の白い部分は、熱い水によるストレスで発生した真菌による感染と考えられるという。
汗をかいて体温を調整する人間とは異なり、冷血動物の魚は、周りの水の熱から体温を得ている。しかし21℃の水温の中を長い距離泳ぐことは、魚にひどいダメージを与え、致命的となるそうだ。
動画のサケもいずれ死ぬ可能性
この動画に写っているサケたちも、これらのケガによりいずれ死ぬと予想されており、もし生き残ったとしても、本来の繁殖地で子孫を残すことは難しいと考えられている。
もっとも水温が高いのは、熱波の影響だけではなく、数十年前に建設されたダムも一因と考えられ、熱波との組み合わせで、魚にとってより致命的になったという。
もっとも「Columbia Riverkeeper」も実際に、今まで死んだサケの総数を正確に把握しているわけではない。ただ彼らは河川の水温がさらに上昇し、今後数カ月の間にさらに数千匹が死ぬ可能性があると推定している
また科学者たちも、熱波の影響により魚だけではなく、10億匹以上の海の生物たちが死んだと見積もっているそうだ。(了)
出典元:METRO:Video shows salmon ‘boiled alive’ by water temperature during heatwave(7/28)