ミツバチの病気に対するワクチン、米企業が開発し条件付きで認可
アメリカのバイオテクノロジー企業が、ミツバチ用のワクチンを開発し、それが先日条件付きで監督官庁から認可された。
「アメリカ腐蛆病」に対するワクチン
その企業とは「ダラン・アニマル・ヘルス」社だ。
この会社は、ミツバチの伝染病である「アメリカ腐蛆病(American Foulbrood disease)」に対するワクチンを開発。先週、アメリカ農務省から条件的に使用の認可を受けたという。
このワクチンは、「アメリカ腐蛆病」に対するミツバチの免疫システムを高めるものとして期待されている。
菌に冒されたエサをミツバチの幼虫が食べる
「アメリカ腐蛆病」は、ペニバシラス(Paenibacillus)の幼虫によって引き起こされる細菌性の疾患で、菌に冒されたエサをミツバチの幼虫が食べることで、感染が広がっていくという。
今までは抗生物質治療に頼っていたが、それは効果が限定的で、多くの時間とエネルギーを必要としていたそうだ。またこの伝染病にかかった場合、ミツバチや感染した巣、そしてすべての器具を焼却処分しなければならなかったとか。
しかし「ダラン・アニマル・ヘルス」社が開発したワクチンには、ペニバシラス幼虫菌を不活性化させる成分が含まれており、それは非遺伝子組み換えで、有機農業でも使用可能なものとされている。
女王蜂が食べるロイヤルゼリーに含まれる
このワクチンは、働き蜂が食べた後、ローヤルゼリーに取り込まれる。その後、女王蜂がローヤルゼリーを摂取すると、ワクチンの断片が卵巣に沈着。このワクチンを与えられた幼虫は、孵化する際に免疫を獲得するという。
「ダラン・アニマル・ヘルス」社のCEOであるアネット・クライザー博士は、「我々のワクチンはミツバチを保護する画期的なものであり、世界規模で食糧生産に影響を与える」と声明で述べている。
この薬剤の有効性を示す研究結果を受けて、アメリカ農務省は2年間の条件付きライセンスを発行。これによりワクチンを商業養蜂家に限定的に配布できるようになり、今年後半にはアメリカ国内で購入可能になる予定だという。(了)
出典元:Good News Network:World’s First Vaccine for Declining Honeybees Approved By the US for Conditional Use(1/8)