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海に投棄された麻薬をサメが摂取?「コカイン・シャーク」の行動とは?

海に投棄された麻薬をサメが摂取?「コカイン・シャーク」の行動とは?
flickr_Steve Garner

毎年、数多くの麻薬などが海に投棄されているアメリカ・フロリダ州で、それらがサメにどのような影響を与えているか、調査が行われたという。

 

麻薬が影響を及ぼしているかを調査

 

その調査を行ったのは、Tom Hirdさんだ。彼はフロリダ沖に生息する何千匹ものサメが、投棄された麻薬を摂取しているのかどうか、また摂取しているとしたら、その麻薬がサメに何らかの影響を及ぼしているのか、を調べたいと考えたそうだ。

 

そこでHirdさんは、フロリダ大学の環境科学者Tracy Fanaraさんとともに、一連の実験・観察を行ったという。

 

それらの様子は、「ディスカバリーチャンネル」の「コカイン・シャーク」という番組で、今後放送されることになる。

 

サメが予期せぬ行動

 

番組では、まず漁師たちが、海流に乗ってこの地域に流れ込んだ麻薬をサメが摂取したとする話を紹介。

 

さらにサメと一緒に潜って異常行動を探し、サメが予期せぬ行動をとるのを映し出した。

 

あるグレート・ハンマーヘッド(Sphyrna mokarran)は、通常は人間を警戒する種だが、チームに向かってまっすぐにやってきて、人間と一緒に泳いでいるように見えたという。

 

また水面下18メートルの難破船では、Hirdさんがサンドバー・シャーク(Carcharhinus plumbeus)に遭遇。サンドバー・シャークは何かに執着しているようで、何も見えないにもかかわらず、円を描いて泳ぎ続けたそうだ。

 

偽の「コカイン」のパッケージを投下

 

さらに詳しく調査するため、HirdさんとFanaraさんは3つの実験を計画。まずは水中に投下された偽の「コカイン」の梱包物に対して、サメがどのように反応するかを調べた。

 

彼らはまず、本物のコカインの梱包物と大きさや見た目も似た、パッケージを作った。

 

Twitter/Amjad

 

最初の実験では、この疑似パッケージをダミーである白鳥の人形の隣に置き、サメがどちらに向かうかを調べたという。

 

すると驚いたことに、サメはまっすぐパッケージに向かい、食らいついたとか。また1匹のサメなどはパッケージを咥えて、泳ぎ去ったそうだ。

 

次に彼らは、大量の魚粉が入ったエサ玉を作製。この高濃度の魚粉を食べると、コカインを摂取した時に近いドーパミンが放出されるという。

 

そして海に投下したところ、サメは大喜びして、群がったそうだ。Hirdさんも「サメたちの脳は燃え上がった。クレイジーだった」と述べている。

 

最後に彼らは飛行機から、偽のコカインのパッケージを投下。するとタイガーシャークを含む、複数のサメの種が、パッケージへ向かっていったという。

 

もっとも今回の実験だけでは、完全な結論を導き出すことはできない。そのためには、こうした実験を何度も繰り返す必要がある。

 

Hirdさんたちは今後、サメの体内にコカインの痕跡があるかどうかを調べるため、組織や血液のサンプルなどを採取し、さらに多くの検査を行いたいと考えている。(了)

 

出典元:Livescience:‘Cocaine sharks’ off Florida may be feasting on dumped bales of drugs(7/21)

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