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ジェームズ・ウェッブ望遠鏡、生涯を終える星の鮮明な姿を撮影

ジェームズ・ウェッブ望遠鏡、生涯を終える星の鮮明な姿を撮影
The University of Manchester

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、命の尽きかけた星の美しい姿を撮影した。

 

約2600光年離れた「環状星雲」

 

その星とは、地球から約2600光年離れた「環状星雲」だ。

 

これは惑星状星雲とされ、リング状をしているため「リング星雲」「ドーナツ星雲」とも呼ばれている。

 

この星雲は、死にかけた星がその物質の多くを宇宙空間に放出したときに形成され、鮮やかな色のリングや、複雑に入り組んだうっすらとした「雲」を生み出すという。

 

そして今回、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、これまでにないほど鮮明に、その姿を撮影することに成功した。

 

The University of Manchester

白色矮星の周りの内部領域も撮影

 

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(Nircam)による高解像度の画像は、星雲の膨張する殻の構造だけでなく、中心の白色矮星の周りの内部領域も捉えている。

 

実は太陽も、数十億年後に寿命が尽きる際、このような状態になると考えられているそうだ。研究チームを率いた、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイケル・バーロー名誉教授(物理学・天文学)も、次のように説明している。

 

「太陽のような恒星は、白色矮星としてその生涯を終える時、外殻を放出すると予想されています。その外殻は、白色矮星になる前に、高温になっている星の中心からの放射線に照らされて、美しい惑星状星雲を形成します」

 

星雲のカラフルな帯は、異なる波長で発光する化学元素によって作られている。

 

このため科学者たちは、この画像を分析することで、星雲構造を生み出す複雑なプロセスや、星のライフサイクル、そして星が宇宙に放出する元素について、より多くのことを学びたいと考えているという。(了)

 

出典元:The Guardian:Stunning James Webb telescope images show death throes of distant star(8/3)

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