スペイン海軍がミスを連発、新しい潜水艦がドッグに入らない事態に
改造されたスペインの潜水艦が再び、トラブルを抱えることになったとして、多くのメディアが報じている。
当初は浮力に問題が発生
その潜水艦とはスペイン海軍の「S-80」。この艦は、当初設計ミスによって浮力に問題を抱えていたという。
そのため多額の費用をかけて、問題を解決するために、船体を長くする作業を行ったそうだ。そして名前も「S-80 Plus」に変更される。
しかし今度は長くなった船体のために、Cartagenaにあるドッグにもはや入れない事態に陥ってしまう。
Spanish MoD Rejects El País Report Of New Submarine Blunderhttps://t.co/TjQOGUmotg pic.twitter.com/UBMXvoUIpc
— Matthew Bennett (@matthewbennett) July 18, 2018
計算書を確認しなかったのが原因か?
もともと問題が発生したのは2013年。潜水艦が必要な重量よりも100tも重く作られたことがきっかけだったという。
これにより海に潜水することは可能だが、再び海上へ浮上することができなくなる可能性が出てきたそうだ。
このミスについて、スペイン海軍の関係者だった人物は、誰かが数字の小数点を間違った場所に書いてしまい、その後計算書の確認に注意を払わなかったことが原因だと語っている。
El País reports Spain's new submarine project, the S-80, has a new problem (the first, very expensive, one was that it didn't float). Now it doesn't fit in the submarine pens at the Cartagena naval base.https://t.co/hRTmfSVOKd pic.twitter.com/r3z5GWaiwD
— Matthew Bennett (@matthewbennett) July 18, 2018
国防大臣も計画の不備を認める
その後、エンジニアとコンサルタントは、この浮力の問題が船体を長くすることで解決すると提案。
これを受けて、改造を実施した結果、もともとの長さが71mで重さが2200tだったのが、「S-80 Plus」では長さが81m、重さが3000tとなる。
ところがこの改造によって基地のドッグに入らなくなったため、今度は海底の砂をさらい、ドッグの形を変更しなければならなくなったという。
この「S-80 Plus」のプロジェクトに関しては、スペインのMargarita Robles国防大臣も不備があったとラジオ番組で認めており、すでに問題は修正され、間違いなくプロジェクトは実現可能だと主張している。
ただしすでに当初の予算を大幅に超えており、またエンジニアもまだ推進システムのデザインを決めていない、と言われているとか。
海軍の軍艦がこのような問題に遭遇するとは、かなり珍しい事例と言えるかもしれない。(了)
出典元:BBC:Spain’s new submarine ‘too big for its dock’(7/18)
出典元:The New York Times:Once Too Heavy, Now Too Big. Spain’s New Sub Can’t Fit in Dock.(7/18)