体内でアルコールが生成されるベルギーの男性、飲酒運転で無罪
極めて珍しい病気を患った男性の裁判が行われ、飲酒運転に関して無罪の判決が下された。
「自動醸造症候群」を患う
その男性の名前は明らかにされていないが、彼は以前、飲酒運転で警察に捕まってしまい、裁判が行われていたという。
しかし男性は、体内でアルコールが生成される極めて稀な症状である「自動醸造症候群(Auto-brewery syndrome:ABS)」を患っていたと診断され、4月22日に裁判所は無罪の判決を下したそうだ。
弁護士の女性、Anse Ghesquiereさんは、「依頼人の男性は醸造所で働いていたが、独自に診察した3人の医師は、男性がABSであると確認した」と述べた。
アルコール中毒と一致する症状
ベルギーの「AZ Sint-Lucas病院」の臨床生物学者、リサ・フロリン氏によれば、人は生まれつき「自動醸造症候群」を抱えているわけではないが、別の腸関連の疾患を抱えている場合にこの病気を発症する可能性があるという。
そして発症すると、「呂律が回らない」や「つまずく」「運動機能の低下」「めまい」「げっぷ」などのアルコール中毒と一致する症状を示すことがあるそうだ。
また「自動醸造症候群」の患者は、アルコール飲料に含まれるのと同じタイプのアルコールを生成するが、一般にその影響は当人に、あまり感じられないと考えられている。
今回の裁判でも判事は判決において、この男性には当時、酩酊の症状はなかったと強調したという。(了)
出典元:The Guardian:Belgian man whose body makes its own alcohol cleared of drunk-driving(4/22)