イスラエル軍がレバノンへ地上侵攻の準備、空爆で50人以上を殺害
イスラエル軍はレバノン南部への空爆を続けており、数多くのレバノン人の命が奪われている。
51人が死亡、220人以上が負傷
レバノンのFirass Abiad保健大臣は9月25日、イスラエル軍による空爆で、51人が死亡、220人以上が負傷したと発表した。
また国連の国際移住機関(IOM)によれば、イスラエル軍のレバノンへの攻撃により、ここ数日で少なくとも9万530人が自宅を離れ、避難を余儀なくされたという。
このうち4万人近くが283の避難場所へ移動しているそうだ。
イスラエル側は25日、シーア派武装組織「ヒズボラ」の情報機関や指揮センター、インフラなど60の標的に対して攻撃を行ったと主張している。
北部の国境に2旅団を招集
イスラエル軍のHerzi Halevi参謀総長は、兵士らに対し、「ヒズボラ」のインフラを破壊し、地上侵攻を準備するためにレバノンへの空爆を継続すると語ったという。
Israeli General Herzi Halevi told soldiers in northern Israel on Wednesday that the air attacks on Lebanon would continue in order to destroy Hezbollah’s infrastructure and to prepare for a possible ground assault. pic.twitter.com/Xp5p0ZHd0n
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 25, 2024
またすでにイスラエル軍は、レバノン南部への地上侵攻の準備として、北部の国境付近に予備役の2旅団を招集しているとも言われている。
一方、「ヒズボラ」も25日には、イスラエルの主要都市、テルアビブ近郊にある情報機関「モサド」の本部を狙って、弾道ミサイルを発射したと主張。イスラエル側は、これを迎撃したと述べている。
Israel’s military says its defence system intercepted a missile fired by Lebanon’s Hezbollah towards the city of Tel Aviv.
Al Jazeera’s @ajimran says the missile launch was likely a message from the armed group. pic.twitter.com/6EmbmiuQYC
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 25, 2024
ガザ地区でもイスラエル軍の攻撃
イスラエル軍はガザ地区でも攻撃を続けており、南部のラファの北東部では、住宅が空爆され、4人のパレスチナ人が死亡。犠牲者のうち、2人が女性だったという。
同じくラファ北部の住宅もイスラエル軍の空爆にさらされ、2人のパレスチナ人が殺害された。
またガザ地区中部にあるブレイジ難民キャンプでも、イスラエル軍の攻撃により、6人のパレスチナ人が殺害され、その中には生後7カ月の赤ちゃんと3人の子供、1人の女性が含まれていたという。
さらにイスラエル軍は、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプも襲撃。市内の2つの病院を包囲した後、キャンプ内に進入し、少なくとも5人を拘束したそうだ。
イスラエル軍はキャンプ内にある住宅を爆破し、またブルドーザーで道路や歩道などを破壊したと伝えられている。
「全面戦争の可能性はあるが…」
アメリカのジョー・バイデン大統領は、ABCテレビの番組「ザ・ビュー」に出演し、「全面戦争の可能性はあるが、(中東)地域全体を根本的に変えるような和解ができるチャンスもあるだろう。われわれはまだ戦っている」とし、停戦へ向けた努力を行っていると主張した。
しかしガザ侵攻が始まって以来、バイデン大統領は、イスラエルのネタニヤフ政権に無条件の軍事的・外交的支援を提供してきた。
批評家らは、ガザ地区での大虐殺が、歴史書におけるバイデン氏の地位を決定付けるだろうと主張している。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel attacks Lebanon live: ‘We are not stopping, we’ll keep attacking’(9/25)