ジーン・ハックマン氏の最期の1週間と、妻の死の真相が明らかに

2月26日、アメリカ人俳優のジーン・ハックマンさんとその妻が死亡しているのが発見された。一部がミイラ化しているなど、謎の多い死だったが、3月7日にその真相が発表された。
外傷のない状態で発見
2月26日、ジーン・ハックマンさん(95歳)と妻のベッツィ・アラカワさん(65歳)の遺体が、ニューメキシコ州サンタフェの自宅でメンテナンス作業員により発見された。ハックマンさんは部屋で、妻のアラカワさんは洗面所で床に横たわっていたという。アラカワさんには腐敗の兆候が見られ、手足はミイラ化。近くのカウンターには処方薬の瓶が開いており、薬が散乱していたそうだ。
外傷はなく、最初の検死結果で死因もわからなかった。また、飼い犬のジャーマンシェパードも死んでおり、2匹の子犬は生きていた。強引に侵入された形跡はなく、品物が盗まれたり、物色されたりした形跡もなかったそうだ。
妻の死因は感染症
警察当局は、アラカワさんの死因をハンタウイルス肺症候群と判断。この病気はウイルスを持ったげっ歯類の糞や尿が粘膜や傷口に触れたり、排泄物の含まれたほこりを吸い込んだり、げっ歯類に噛まれたりして感染するという。人から人への感染は起こらない。インフルエンザに似た症状を引き起こし、致死率も約40%と高い。
彼女の姿が最後に確認できるのは、2月11日の防犯カメラの映像だ。また、2月11日以降、彼女のコンピュータには未開封のメールが多数残されていたという。その日は、午後まで買い物などの用事を片付けていた。彼女にどんな症状が出ていたのかはわかっていないが、マスクを着用していたという。
妻の死を認識していなかった可能性
ハックマンさんのペースメーカーには、2月18日までの活動記録が残っており、死因は高血圧と動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)とされている。
ハックマンさんはアルツハイマー型認知症であり、一週間ほど妻の死体とともに過ごしていたが、妻の死を認識していなかった可能性も十分にあるという。数日間食事をとっていなかったが、脱水症状は見られなかった。(了)
参考:E! on line「Gene Hackman Likely Didn’t Know Wife Betsy Arakawa Died a Week Before His Death」(3/8)
参考:USA TODAY「Gene Hackman cause of death released」(3/7)
参考:厚労省「ハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱、ハンタウイルス肺症候群)(Hantavirus Infection)」