ロシア軍が再びウクライナに大規模空爆を実施、少なくとも14人が死亡

アメリカのトランプ大統領が、ロシアを擁護する中、ウクライナは再び大規模な攻撃にさらされた。
ウクライナ東部や北東部で大きな被害
3月8日、ウクライナ各地にロシア軍による大規模な空爆が行われ、少なくとも14人が死亡、多数が負傷した。
東部のドネツク州の町、Dobropilliaの中心部には、ロシア軍の2発の弾道ミサイルが着弾。5階建てのアパートが火災に見舞われたという。
救急隊が到着した後、再びロシア軍が同じエリアに空爆を行い、これにより民間人11人が死亡、30人が負傷した。負傷者のうち5人は子供だったそうだ。
Russia hit the center of Dobropillya, Donetsk region, with two ballistic missiles late last night.
When the emergency services arrived on site, another missile was launched at them, authorities report.
11 people are dead, 30 more injured. 8 residential buildings were damaged,… pic.twitter.com/jKN9GZGWIQ
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) March 8, 2025
また北東部のハルキウ州でも、ロシア軍のドローン攻撃で3人が死亡、7人が負傷したという。
米の支援停止後、ロシアの攻撃が激化
ロシア軍は3月7日にも、ウクライナに大規模な攻撃を行っており、トランプ政権がウクライナへの情報提供を中止し、武器提供を停止して以来、攻撃の激しさが増している。
また犠牲者の増加は、ミサイルの飛来を警告する警報システムの効果が薄れていることを意味しているという。
トランプ大統領は、プーチン大統領がアメリカの情報提供の中止などを利用しているかとの質問に対し、「ウクライナがひどい打撃を受けている」とだけ認めた。
さらにトランプ大統領は3月7日にも、「プーチン大統領の立場なら、誰でも同じことをするだろう」と指摘し、和平交渉についても「ウクライナよりもモスクワとの交渉の方が容易だ」と述べたという。
そもそもトランプ氏は、これまでのところ、ロシアには何も要求せず、ウクライナに対してだけ圧力をかけてきた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月8日、ロシア軍の攻撃について言及し、ロシア政府の目的、ウクライナを侵略する意図が変わっていないことを指摘。ロシアの戦時経済を崩壊させるため、さらなる経済制裁を行うよう訴えた。
またロシアのクルスク州で戦っているウクライナ軍も苦戦を強いられ、北朝鮮とロシアの部隊が前線を突破し、再びスジャの町を襲撃したという。
ウクライナ軍が敵の包囲を回避できたとする未確認の情報はあるものの、補給路はロシア軍のドローンや砲撃による絶え間ない攻撃にさらされ、危機的な状況にあるとの見方も出ている。
「野蛮人をなだめるとこうなる」
連日のロシア軍による空爆について、EUの外交政策責任者、カヤ・カラス氏は「ロシアの容赦ないミサイル攻撃は、プーチンが、平和に関心がないことを証明している」と指摘。軍事支援を強化しなければ、「さらに多くのウクライナの民間人が、最大の代償を払うことになる」と述べた。
またポーランドのトゥスク首相も、「ウクライナでまた悲劇的な夜が訪れ、爆弾がさらに投下され、攻撃がさらに激化し、犠牲者も増えた」と発言。トランプ氏に言及することなく、「野蛮人をなだめるとこうなる」と述べたという。
ポーランドのトゥスク首相は3月7日、議会において、ロシアの侵攻に備え、すべての成人男性に対して大規模な軍事訓練を実施する計画を発表した。(了)
出典元:The Guardian:Russia launches devastating attack on Ukraine after Trump’s defence of Putin(3/8)