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新教皇「レオ14世」のルーツは有色人種、国勢調査記録から判明

新教皇「レオ14世」のルーツは有色人種、国勢調査記録から判明
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5月8日に新教皇「レオ14世」となったシカゴ生まれのロバート・フランシス・プレボスト枢機卿は、記録から、ルイジアナ州ニューオーリンズに黒人のルーツを持っていたことが判明した。

 

母方の祖父母が「黒人または混血」

 

ABCニュースが入手した、1900年代初頭のアメリカ国勢調査を含む複数の記録によれば、レオ14世の母方の祖父母、ジョセフ・マルティネス氏(祖父)とルイーズ・バキエ氏(祖母)は、黒人または混血と記載されていたという。

 

1887年の結婚許可証では、マルティネス氏の出生地はハイチと記載されており、出生記録によるとドミニカ共和国のサントドミンゴ生まれとなっていたそうだ。

 

ハイチ共和国は、カリブ海のイスパニョーラ島西部を占め、ドミニカ共和国も同じくイスパニョーラ島東部にあり、当時は2つの地域は同じとみなされていたという。

 

一方、祖母のバキエ氏の出生記録では、彼女はニューオーリンズ生まれとなっていた。

 

シカゴに移住した後、白人と記載

 

シモンズ大学で歴史学を研究するクリス・スマザーズ氏によれば、マルティネス氏が海外生まれであるにもかかわらず、マルティネス氏の父親(教皇の曽祖父)がルイジアナ州出身であったことから、教皇の祖先がアメリカ南部の有色人種と何世紀にもわたるつながりを持っていたことは明らかだという。

 

また1900年の国勢調査では、この一家がニューオーリンズに住んでいた当時、教皇の母方の祖父母と、叔母のイルマとマーガレットは黒人とみなされていたそうだ。

 

しかし1920年に一家がイリノイ州のシカゴに移住し、教皇の母、ミルドレッドが生まれた後の国勢調査では、彼らの人種は白人と記載されていたという。

 

「白人として認められた」

 

「ヒストリック・ニューオーリンズ・コレクション」の家族史研究家であるジャリ・ホノラ氏は、ABCニュースに次のように語っている。

 

「1910年から1912年の間に、彼らはニューオーリンズからシカゴへ移住しただけでなく、人種のアイデンティティも変えました。これは非常によくあることだったのです。多くの家族が生活の問題として、あるいは経済的な判断でそうしたのです。そして彼らは白人として認められたのです」

 

ABCニュースは、この家系を解明しようとしている地元の系図学者から、教皇の祖父母の写真も入手。教皇の弟であるジョン・プレボスト氏は、写真に写っているのが祖父母であることを認めたそうだ。

 

しかしジョン・プレボスト氏によれば、祖父母とハイチのつながりや、一家がニューオーリンズに住んでいた時期について知っていたものの、家族は人種問題について決して話し合わなかったという。

 

有色人種のクレオール人

 

一般的にカリブ海やラテンアメリカ地域で生まれた人間のことや、混血の有色人種のことを「クレオール人(クリオール人)」と呼ぶが、ニューオーリンズの「クレオール人」は、ルイジアナ州の時代と共に歴史や文化を作ってきたそうだ。ホノラ氏は、次のように語る。

 

「彼ら(教皇の祖先)は有色人種のクレオール一家でした。クレオールとは、ルイジアナ州のこの地に根ざした文化的背景を示しています。もちろん、ルイジアナ州はフランスとスペインの植民地時代に遡り、西アフリカの人口(黒人)もかなり多かったのです。そして有色人種であることは、彼らが人種的混血であることを示しています。彼らはこれらすべての民族的背景を併せ持っていたのです」

 

ホノラ氏によれば、教皇の祖先の経緯については驚きではないが、その一族の子孫が教皇であるという事実は、まさに驚きの要素を加えているという。(了)

 

出典元:ABC News:Pope Leo XIV’s family tree shows Black roots in New Orleans(5/10)

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