米で13歳の少年が膵臓がんを検知する方法を開発、それが認められ賞に輝く
アメリカで13歳の少年が膵臓がんを発見する効果的な方法を開発したとして、注目を集めている。
人工知能を使い膵臓がんを特定
その少年とは、オレゴン州ポートランドに住むRashab Jain君。「Stoller Middle School」という学校の7年生である彼は、膵臓がんを正確に探し、ターゲットにするために人工知能を使ったアルゴリズムを開発。
これを使い、患者がMRIで放射線治療を受けている間にリアルタイムで膵臓がんが検知できたとして先日、「Discovery Education 3M Young Scientist Challenge」というコンテストで最優秀賞の栄誉に輝いたという。
アメリカでは膵臓がんは、がん関連死の中でも3番目に多い死因とされているそうだ。
見つけにくい膵臓がん
膵臓がんの放射線治療における困難な点は、膵臓がんがどこにあるのかを見つけることだとされている。
そもそも膵臓は、胃やその他のそばにある臓器によって見えにくくなっており、がんも非常に見つけにくい。呼吸や体の変化によって、腹部のエリアで膵臓が動いてしまう場合もあるという。
その結果、放射線治療によって健康な細胞もうっかりターゲットにされ、影響を受けることもあるとか。
この開発に携わった経緯についてRashab君は次のように語っている。
「去年、僕はボストンにいる兄弟のところを訪ねました。そして膵臓がん治療について知り、その問題を解決するのがいかに困難かを知るようになったのです」
「僕はそれから、その病気がどれだけ恐ろしいものか、生存率がどれだけ低いかを学びました。同時に人工知能を学び続け、自分の知識を現実世界の問題解決のために役立てないかと思うようになったのです。実際、僕の家族の友人には、この病気で亡くなった人もいるのです」
98.9%の確率でがんを検知
やがてRashab君は、自ら人工知能によるアルゴリズムを開発。さらに人間の消化器官の画像イメージを使い、テストを繰り返したという。
その結果、彼のアルゴリズムが98.9%の確率で膵臓がんを特定することに成功した。
この新しい技術は正確性を高める目的で行われたわけだが、がんの侵襲性を低下させ、治療中の効果を上げ、結果的に生活の質を向上させて、患者の生存率を高めることになるそうだ。
今回のコンテストでは、他の9人のファイナリストと競ったのだが、受賞したRashab君には2万5000ドル(約280万円)の賞金が贈られたという。(了)
出典元:TIME:This 13-Year-Old’s Tool Could Change Pancreatic Cancer Treatment(10/19)
出典元:Good news network:13-Year-old Named America’s Top Young Scientist for Drastically Improving Pancreatic Cancer Treatment(10/25)