英国で波紋、日焼けサロンが大好きな女性が耳に癌を患い全摘出
英国で日焼けサロンに通い続けた女性が耳にがんを患い、摘出する手術を受け、波紋を呼んでいる。
赤色から黒色へと変化した耳のしこり
癌を患い、左耳の全てを摘出されたのはAnthea Smithさん(43)。
Smithさんは日焼けサロンで肌を焼くのが大好きで、家族と共に14歳から通い続けてきたという。
しかし大人になったSmithさんは、ある時耳に赤いしこりのようなものがあることに気付く。
そのため幾度も病院へと足を運ぶが、医師からは相手にされなかったという。
ところがその後、5年の間にしこりはおぞましい黒と茶色のような色に変化し、耳の半分ほどを覆うように拡大。
ついに2015年、Smithさんはその正体が皮膚がんの一種である悪性の黒色腫であるとの診断を受けることとなった。
2度にわたる手術で左耳を全摘出
その後Smithさんは2度にわたり手術。
手術では耳の外部から内部、さらにはリンパ節など、左耳の全てを摘出する手術が行われたという。
耳の穴は、大腿部の皮膚を移植することによりカバーされ、Smithさんは左耳の聴力を失ってしまう。
その後Smithさんは取り外し可能な人口の耳を渡され、必要とあれば眼鏡をかけることもできるようになったというが、それでも味覚の変化や耳鳴り、顔面の麻痺などといった手術による後遺症に悩まされているという。
これについてSmithさんは「もし形成外科にすぐに行っていなければ、おそらく私は今日生きていないでしょう」と話す。
耳の“しこり”の正体が黒色腫であるとの診断を下したのは、皮膚科や総合診療科ではなく形成外科であったという。
「恐ろしいことです。総合診療委や皮膚科医には非常にがっかりしています。(診断を下された)その時点で病斑は5年間もそこにあったのです。それは長い時間です」
日焼けサロンの禁止を訴える
一方、日焼けサロンに通っていたことが癌を発症した原因であると考えるSmithさんは、英国における日焼けサロンの禁止を訴える。
世界においてはオーストラリアやブラジルなどの国において、既に日焼けサロンが皮膚がん発症の原因であるとして全面的に禁止されており、Smithさんは英国もその後に続くべきだとしている。
他方で英国でも18歳以下が日焼けサロンを利用することは禁止されている。
しかし欧米の白人の間では肌を焼き健康的に見せることへの人気が根強いため、Smithさんは日焼けサロンが存在する限り、肌を焼くことに憧れを持つ10代の青少年が何らかの方法で利用してしまう可能性があると考えるようだ。
Smithさんは英国における黒色腫の患者の支援団体である「Melanoma UK」による、日焼けサロンを英国において全面的に禁止する旨を訴える請願書についても支持している。
この請願書には1347人が署名を行っているという。
がんは一度腫瘍を全摘出してもそれで終わりというわけにはいかず、“生きている限りそれと共に生きる”と訴えるSmithさん。
「私は殉教者ではないし、伝道もしません。しかし私は命を救うため、伝道をしていきます」
日本においても90年代後半から2000年代初頭にかけて、“ガングロギャル”の登場と共に、日焼けサロンがブームとなったことがある。
当時“日サロ”に通っていた世代もSmithさんと同じ道を辿らぬよう、異変があれば早めに病院へ行ってもらいたい。(了)
出典:Fox News:Mom who lost ear to skin cancer claims tanning as teen led to disease(2/6)
出典:Daily Mail:Mother, 43, who was told her skin cancer was just a wart has her ear AMPUTATED after doctors took five years to diagnose the deadly disease(2/6)