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香港デモで中国がサイバー攻撃か、アプリの情報を基に市民も拘束

香港デモで中国がサイバー攻撃か、アプリの情報を基に市民も拘束
Twitter/Adam NiJ

先週の水曜日、香港でデモが起きている最中、人々が使っていた暗号化されたメッセージアプリが、大規模なサイバー攻撃を受けたことが発表された。

 

IPアドレスは中国からのもの

 

ABC Newsによれば、攻撃を受けたのはデモ参加者が使っていた「Telegram」と呼ばれるアプリで、数千人が香港の政府庁舎を取り囲んでいる6月12日夜、突然接続が遅くなったという。

 

もっともこの攻撃では、ユーザーのデータは損なわれてはいない。

 

ただ「Telegram」のCEOであるPavel Durov氏は、「攻撃を仕掛けてきたほとんどのIPアドレスは、中国本土からのものだった」とツイートし、次のように語っている。

 

「今までの歴史を見ても、私たちが受けた攻撃は、香港でデモが行われているタイミングと一致しています。今回のケースも例外ではありません」

 

抗議デモなどで使用されていたアプリ

 

そもそも香港や中国本土にいる活動家らは、抗議活動を組織する時に、「Telegram」をしばしば使用していたという。

 

それもこのアプリに備わっている暗号によって、中国政府の監視を回避できるからだ。

 

実際、「Telegram」のような暗号化されたメッセージアプリは、システムに送られるメッセージが送信者から受信者に届けられる時でも、第3者によって解読されない仕組みになっているそうだ。

 

このため、自主性を保ち、プライバシーの保護も提供している「Telegram」のようなアプリは、中国本土ではブロックされている。

 

しかしユーザーらは、中国政府のファイアーウォールを回避するソフトウェアを使ってアクセスしてきたという。

 

そのファイアーウォールは、フェイスブックやニューヨークタイムズなど幅広いウェブサイトやアプリをブロックするものとされている。

 

チャットの管理者を自宅で逮捕

 

今回、大規模なサイバー攻撃が仕掛けられたが、水曜日の夜にはアプリが安定化したと宣言された。ただしこれまでに、香港警察によって「Telegram」の利用者が拘束されたことも明らかとなっている。

 

New York Timesによれば、そもそも中国本土では当局がチャットのメッセージを追跡し、抗議活動が起きる前でさえ反体制派の人々を逮捕し、政府への批判投稿を行った人も拘束しているという。

 

そして香港警察も中国本土を訪れ、「テロを防ぐ名目」でこの手法を学び、今では抗議活動後でもデモ参加者を逮捕できるようにするために、あらゆる種類のデータを駆使し、追跡しているそうだ。

 

実際に6月11日には、「Telegram」で2万人のチャットグループを管理しているチャット・リーダーのIvan Ipさん(22)が香港警察によって逮捕されている。

 

しかも彼は当時、抗議活動が行われている場所から数キロも離れた自宅にいたという。Ipさんは次のように語っている。

 

「ただインターネットで話していただけで、情報を共有していただけで、犯罪(スピーチクライム)とみなされるとは思っていませんでした。保釈されてから4時間しか眠れませんでした。私は彼ら(警察)が再び現れ、私を逮捕するのを恐れています。この恐怖の感覚は、私の心に深く刻まれ(植えられ)ました」

 

今回の「サイバー攻撃」は、特定のサーバーに大量のリクエストを送信して、過剰な負荷をかけてシステムを麻痺させる「DDoS攻撃」と呼ばれるものだが、まだ中国政府が仕掛けたことが証明されたわけではない。

 

ただこの一連の動きにより、中国政府がさらに香港の情報面においても介入する姿勢を強めていくことにならないか、懸念が広がっている。(了)

 

 

出典元:ABC News:Chinese cyberattack hits messaging app during HK protest(6/13)

出典元:New York Times:Chinese Cyberattack Hits Telegram, App Used by Hong Kong Protesters(6/13)

参考:産経新聞:香港、リーダーなき反政府デモの「勝利」 テレグラム利用で情報共有(6/15)

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