Uberのドライバーは個人事業主ではなく従業員、英の最高裁が判決を下す
イギリスの裁判で、Uberのドライバーが従業員の立場にあるとする、画期的な判決が下された。
従業員であると判断
イギリスの最高裁は2月19日、プラットフォームのUberの会員となってタクシー業務を行っている労働者に関する裁判の判決を下した。
判決では、Uberのドライバーは個人事業主ではなく、従業員として扱われるべきであるとの判断が示されたという。
現在、Uberのドライバーはこれまで個人事業主とされていたため、最低限の保護しか与えられていなかった。
しかし今回の判決により、イギリスではドライバーたちには最低賃金や有給休暇などが保障される可能性が出てきたという。
日本でもUberイーツの対応が問題に
日本でも以前、Uberイーツの配達員が車に当て逃げを起こしたことがあった。この際、Uberイーツ側は配達員が個人事業主であるため、事故が起きた場合は配達員が責任を取るというスタンスをとったため、一時問題となっていた。
イギリスでも、Uber側は運転手が個人事業主であり、同社には最低賃金の保障や有給休暇を与える責任はないと主張。しかし雇用審判所や控訴院などで3度にわたり、Uberの訴えは退けられ、最高裁に上訴していた。
またUberは複数の国でも、運転手を従業員と個人事業主のどちらに分類すべきかをめぐり提訴されている。2020年3月にはフランスの最高裁も、Uberのドライバーは従業員であるとの判決を下している。
イギリスでは現在、Uberのドライバー6万人おり、そのうちロンドンでは4万5000人が働き、大きな市場にもなっているという。
このような「ネット上で単発の仕事を請け負う」ような形態をギグ・エコノミーというが、今回の判決によって、似たようなビジネスモデルを行っている業界にも影響が及ぶと見られている。
BBCジャパンの記事では、Uberのドライバーの苦境や、この判決に至った背景なども詳しく解説している。そちらも是非、ご覧いただきたい。(了)
出典元:BBC:Uber drivers are workers not self-employed, Supreme Court rules(2/19)
出典元:Reuters:Uber faces UK Supreme Court ruling on worker rights in gig economy test(2/19)
出典元:Gigazine:「Uberのドライバーは個人事業主ではなくUberの従業員」とフランスの最高裁が判断(2020/3/5)